クーベルチュール

末次由紀

3.21

1253

発刊:2009.12.11 〜

既刊2巻

『クーベルチュール(1)』巻の書影
『クーベルチュール(2)』巻の書影
うにたべたいさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.21

21件の評価

4.6

2巻まで読みました

「ちはやふる」の末次由紀のもう一つの代表作。
「ちはやふる」と同じ掲載誌『BE・LOVE』にて不定期で連載中で、既刊2巻まで、3巻は出るかもですが作者次第といった感じです。
一話完結のオムニバス形式で、某所にあるチョコレート専門店を舞台にして、訪れる様々な客のストーリーを描くものとなっています。

一話完結ですが各話完成度がすごく高く、毎話毎話、感動できます。
舞台はチョコレート専門店「クーベルチュール」。
そこにはショコラティエの兄「一郎」と、接客担当の弟「二郎」がいるのですが、彼ら自身に特別な力や常人と異なるような点はないです。
各話の主役は訪れる客で、クーベルチュールは重要な場所として登場しますが、考え、行動するのは各人の想いの強さに依っています。
例えば、最初のストーリーでは、大学のとき同じサークルだった男性に片思いしている女性が主人公です。
男性は多忙で世界中を飛び回っていて、たまに日本に帰ってきてもグルメの話題しかせず、彼女は、女性として観られていないのではないかと思い悩みます。
そんな折、常連のショコラトリーであるクーベルチュールで、オリジナルのチョコレートドリンクをいただき、解けていくチョコレートに背中を押されます。

悩んでいる、今人生の岐路に立っている、というほどの想いを抱え込んだ人々の駆け込み寺としてそのお店が機能しているというわけでもなく、日常の一コマとしてその店に訪れ、なんでもないある日のさりげない一歩だけど、その人にとってはとても大切なその一歩を踏み出す勇気を与えてくれるような、そんな物語が展開されます。
一郎、二郎のキャラクターも、イケメンなのにおとぼけですごく良いです。
ショコラトリーで甘いひとときをもちたくなるような、そんな作品でした。

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