棒がいっぽん

高野文子の中でも珍しいSF作品、奥村さんのお茄子が収録されている本作だが、全体的に良作が多い。
キャラの動きや視線、手仕草は漫画的だが自然で。普段、無意識に人がするであう仕草、癖をここまで捉えることができるものなのか。
また、手前に物を置きそれをボヤけさせ、奥に見せたい物を置くことで画面に空間性を持たせている。なぜボヤけさせているのかはおそらくカメラ的視点からだと思う。高野文子は漫画を映画のように捉えているのだと思う。
空間を神的視点で見ているかと思えば、小人になったような視点、小人が空を飛んでいるような視点でみていることもあり、その自由な動きが高野文子の漫画に空間性を持たせているんだと思う。

ぐりんぐりん動くカメラワークに見惚れる。画力すごすぎる。

構図と題材の独自性がすごい