翼を持つ者

高屋奈月

3.28

846

既刊5巻

『翼を持つ者(1)』巻の書影
『翼を持つ者(2)』巻の書影
『翼を持つ者(3)』巻の書影
『翼を持つ者(4)』巻の書影
『翼を持つ者(6)』巻の書影
うにたべたいさんが読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.28

13件の評価

3.3

5巻まで読みました

『フルーツバスケット』の高屋奈月がフルバの前に描いていた作品。
近未来SFファンタジーで、大きな戦争により廃退した地球が舞台です。

主人公は孤児院育ちの名字のない少女「寿」。
彼女は盗賊なのですが、一方で、荒みきった世界において諦めを宿さない真っ直ぐな瞳を持つ少女です。
彼女にベタぼれをしている「擂文・シラギ」がもうひとりの主人公で、元々は寿を追い詰める側のエリート軍人でしたが、軍を脱退し寿と旅に出ることを決めます。
その世界には人々の願いを叶える"翼"というものがあり、それを見つけ出すのが、二人の旅の目的です。

行く先々でいろんな人と出会い、擂文の過去や翼の正体が明かされてゆく展開です。
ほんわかした女子高生が主人公のフルバと違い、アクションシーンが多いです。
まだ初期ということもあってか、線が細くテンポよく進むフルバと違って、本作はちょっと読みにくさを感じました。
乱闘や爆破により建物が崩れ、混乱の中で重要な話が明かされることが多いのですが、誰がどうなったかがわかりづらく、結局どう進んだのかが読み取りにくいところがあります。
旅先でトラブルが発生し、解決をみて次の場所へ移動するため、数話ほどで話の区切りがあるのですが、各話結構話がややこしく、正直わからないまま次へ進んでしまったところもあります。
キャラクターの書き分けもいまいちなので、恋愛モノのノリで次々読みすすめるとあっという間にわからなくなります。
アクション多めですが、じっくり少しずつ読む必要があります。

ただ、個人的には、本作のメインは寿と擂文がなんだかんだラブラブするところだと思っているので、そういう意味ではとても楽しめました。
また、特に終盤はフルバの高屋奈月らしい、独りよがりな愛により大きな愛で包み込むようなメッセージ性が伝わってきて、高屋奈月ワールドが好みの人にはおすすめできる作品です。

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