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萩尾望都
3.92
3593
新刊通知
発刊:2004.10.01 〜
完結・全10巻
40件の評価
オルハ
4.5
重くて暗くて痛いんだけど、傑作だと思う。前半は義父に性的虐待を受けるジェルミの葛藤と苦悩が描かれてる。どんどん転げ落ちるように負の連鎖が。それもキツいんだけど、後半の性的虐待を受けた子供(&殺人)が、簡単には立ち上がれず男娼になったり薬に頼ったりと苦しむ姿が描かれる。父を信じていた長男イアンの無理解、イアンが父の本性に気づき苦しむ姿、それからジェルミと一緒に泥沼に沈むように2人で混乱していく姿もまた、とても苦しいのに読んでしまう・・・。でも、とても繊細で激しくて、面白い(興味深い、かな?)漫画。イアンとジェルミの物語ではあるんだけど、根っこにあるのはやっぱり親子関係かな。いろんな形のいびつな親子の関係性。親も完璧ではない、ただの利己的な人である。大人になるとわかるけど、子供のうちは親は唯一絶対で、ジェルミは年齢的にもそこから抜け出せていない。作中で少しずつそれがジェルミ自身もわかってきてて。ほんと幸せになってくれー。ところで、本作、中学生くらいの時に親が持ってたのをうっかり読んでしまって。自分の性癖を捻じ曲げてくれた1つなんよな・・・。初めて触れたSMでBL(BLは他にも同時期に触れたけど)だった。今でも時々イースターエッグを見るとフラッシュバックするので、多感な時には読まないことを勧めたい。
あのひと
4.0
全体的にはBL。作品の前半は性的虐待・DV表現が多く、どんどん抜け出せなくなっていく。やっと前半を終えてもうここで終わりでも充分ってとこから更に落ちて行く。鬱々してこっちも病んでくる。
かわこ
性暴力、性虐待の描写が続きしんどくなりますが、セリフなどがオシャレです。
おおがらす
4.4
とてつもない物語。凄惨な性的虐待の描写が苦しい(文庫版でほぼ丸三冊分)相手を殺すか、それとも自分が死ぬか。追いつめられてゆくジェルミの苦しみと絶望に目を覆たくなる序盤。義兄のイアンはジェルミに殺人の疑惑を向ける。そんな彼はジェルミの告白を聞いてから、自分自身が信じていた世界の欺瞞を知り……。二人の魂の彷徨。愛とは支配なのか?魂に負った深い傷は容易に癒されるものではない。作家は安易な救いを描かず、しかし中途半端に投げ出さない。萩尾望都、渾身の作品。
horohoro
3.6
タイトルの通り、残酷。。初めて読んだ時怖くて胸が苦しくなって眠れなくなった。(悪い言い方だと、胸くそ 悪かった)でも、主人公の少年の未来は明るいのか、そうなって欲しいという気持ちになり読まずにはいられなかった。古い漫画でありながら、今もなお起こり得ることなので考えさせられる漫画。
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