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高橋しん
3.09
183
新刊通知
発刊:2002.05.30 〜
既刊1巻
4件の評価
うにたべたい
4.3
“いいひと。”のスピンオフ短編集。“いいひと。”ファンにはおすすめの一冊。それ以外の方には需要ないと思いますが。収録作は6編で、その半分、内3篇はみっちゃんが主人公。表紙も成長したみっちゃんです。その他3篇は主人公が異なりますが、なんでこのキャラを登用した?みたいなマニアックな人選はなく、本編の準主役といえる方々が主人公となっています。個人的に好きな副社長や、Aqua Air開発の変態の人(名前忘れた)のスピンオフ短編とか読みたいと思うのですが、無難なキャラがメインとなっています。各作品の感想は以下の通り。・さよなら、パパ。14歳~旅立ち~北野雄二がお世話になった下宿先の子供、みっちゃんこと城山みち子が主役のスピンオフ作品。本作と次の“卒業”は前後編となっています。本編最終回後から年月が経過し、14歳となったみっちゃんが、北野雄二を訪ねて単身札幌までトリップする話。大きくなったとはいえ、中学生が一人で行けるほど北海道は近くなく、道中ろくでもない男に騙されて一緒に旅をすることになる。その間ひどい目に逢いながらも、少し、大人に近づくという話、要約すると危ない雰囲気がしますが、そういう話ではないので、残念ながら。少し切ない経験を経たみっちゃんの旅は後半に続く。・さよなら、パパ。14歳~卒業~後半。札幌に到着したみっちゃんが、北野雄二のお店に変装をして訪れるが、という話。みっちゃんと妙子のオトボケな会話を楽しむ話、と見せかけて、実は、という内容でした。妙子さんはすごいなぁ。本作を持ってみっちゃんは憧れの存在である北野雄二にお別れを告げて、また少し成長するのでした。なお、本作品集において北野雄二は登場しません。そこは寂しいような気もしますが、北野雄二は出てくると何もかもを大岡越前の如くまるっと解決してしまうので、スピンオフ短編としては出ないほうが正解なのかもしれません。・見合いでごはん二階堂さんが主役。城山部長の頼みでお見合いをすることになった二階堂さんが、部長のメンツを保ちつつもうまく断ろうと画策する話。本編のキャラ通りの二階堂さんで、不器用の果にひどい別れ方をするも、なんとなくいい雰囲気で終わるストーリーとなっています。ファンとしては、富士野大の岩館くんとはどうしちゃったの?と気になってしまうところですが、彼とは本編時以上の絡みはなかったようで、回想としてすら登場しないために少し切ないような気分になってしまいました。・フレデリック本編連載時にも散々話題になった、稲葉くんの謎の本の話。本誌を手にとった人の多くは、本作が読みたくで本書を買ったと言っても過言ではないのではないでしょうか。スれててエロい稲葉くんの高校生時代の話となっています。ただ、話自体は抽象的すぎてよくわからなかったというのが正直なところです。結局の所、本編でなぜあんなに怒ったのかもわからず終いでした。・小雪ちゃんとあそぼう!タイトル通り、小雪ちゃんの話。相変わらず就職浪人中でライテックスでアルバイト扱いで働いている小雪ちゃんがある日合コンに行くことになり、それを聞きつけたLCチームのメンバーが合コンに闖入する。一番いいひと本編っぽい、ご都合主義でハッピーエンドな話でした。本短編集内では一番好きな話です。・さよなら、パパ。再びみっちゃんが主役の話。ただし、本編終了からそれほど年月の経っていない、6歳のみっちゃんが主人公。6歳の女の子が、単身札幌まで北野雄二に会いに行き、紆余曲折の末ゆーじのお店に着いて、そして。本書一作目で14歳のみっちゃんを先に読んでいるため、その顛末を知っているので、本作はより切なく感じます。“いいひと。”を読んだ上でないと楽しめない作品集ですが、全作品名作です。感動したい人、面白い漫画が読みたい人には私的には“いいひと。”とあわせておすすめします。久しぶりに押入れから引っ張り出してページを捲りましたが、年を経てもやっぱりいい作品集だと思いました。
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