3巻
いつもと同じ、騒がしい今井家の夕食時。出かけていた葉子が沈んだ面持ちで帰ってきたかと思ったら、そのまま自分の部屋に駆け込んでしまった。「ありゃあ男と別れたね」と羽子。光は、自分が今井家に戻るのを快く思っていなかった葉子のそんな様子に、居心地の悪さを感じるのだった。そんなある日のこと、光がバイトから帰ってくると、家では葉子がひとりっきりでビールを飲んでいた。ちょっと気まずい雰囲気のなか、葉子は、光を追いだそうとした時のことや彼氏とうまくいかなくなってきたこと、自分を退屈な人間だと思っていることなどを語りだした。そして光を見つめ、問うのだった。「あたし、女として、魅力ない?」。