部屋においでよ

原秀則

3.39

833

完結・全7巻

『部屋においでよ(1)』巻の書影
『部屋においでよ(2)』巻の書影
『部屋においでよ(3)』巻の書影
『部屋においでよ(4)』巻の書影
『部屋においでよ(5)』巻の書影
『部屋においでよ(6)』巻の書影
『部屋においでよ(7)』巻の書影
うにたべたいさんが読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.39

14件の評価

3.7

原秀則はかつて大量に読んでいて、「冬物語」とか「いつでも夢を」とか「SOMEDAY」とか持っていたはずなのですが、引越し時のドサクサで捨ててしまったのか家に残存しているのはなぜか本作だけでした。そのうち買い直したいです。

ある晩、居酒屋で意気投合した大学生「塩村ミキオ」と、ピアノの演奏を仕事にしている女性「水沢文」が、同じベッドで一夜を共にして目覚めた朝からドラマが始まります。
その後、半同棲状態となった二人、一方はがむしゃらにカメラマンで食うという夢を追いかける大学生、一方はピアノ教室の先生とバーやレストランでの演奏を生業にしている大人の女性、二人に待ち受ける試練を描いた作品です。

大人の愛を描いた作品で、時に今のため、愛よりも仕事を選択したり、相手の成功を素直に喜べない自分がいたりと、他作品にも言えることですが、とにかく原秀則は登場人物の心理描写に長けた漫画家だと思います。
皮肉にもすれ違った二人の距離の分だけ夢に近づいて、その果に得たもの、得られなかったものについて描かれています。
もう古い作品なので、電話が固定だったり、職場での喫煙が可能だったり、今の時代から見ると違和感があるシーンもありますが、人の感情は時代が流れても変化しないものなので、今の人が読んでも面白いと思います。

ただ、本作は非常に悲しい終わり方をしています。
最後があまりにも悲しすぎる。多分、本作は奥へ仕舞っていたために断捨離から逃れたのかなと思います。
途中まではとても良かったのですが、終盤、雲行きが怪しくなって、そして、そして、そして。
最終7巻の表紙の楽しそうな二人の絵がまた悲しさを誘います。

男と女のありふれたストーリー。おすすめするかは微妙なところです。
個人的には展開に無理があってもなんでも良いので、ハッピーエンドで終わるドラマにして欲しかったと思いました。

1

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