束の間の一花

タダノなつ

3.88

4934

発刊:2021.04.23 〜

既刊3巻

『束の間の一花(1)』巻の書影
『束の間の一花(2)』巻の書影
『束の間の一花(3)』巻の書影
あんどうさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.88

53件の評価

5.0

3巻まで読みました

3巻完結。タダノなつ先生お疲れ様でした!
「余命」を宣告されたふたりが残りの人生をどう生きようとするのか、その物語の行く末は。
読み終わったあと、カバー下でボロ泣きしました。

本作が一昔前に流行った「難病ものの恋愛作品」と毛色が違うのは、「生きることに執着していないこと」によると思います。
だからこそ、軽やかな絵柄が意味を持ちます。作中で一花が言うように、「病気なのを忘れちゃいそう」。

病により余命1年と告げられている女子大生の主人公・一花。
入学式で出会った哲学科の准教授・萬木に一目惚れして猛アタックをする日々。
しかしある日突然、萬木は退職し姿を消してしまいます。
数ヶ月後、駅で偶然出会ったふたり。
一花は萬木に、「死ぬんだってさ俺 あと1年で」
と告げられます。

絵柄が柔らかくて読みやすいです。
会話と地の文のトーンの差が心にクる。
「普通」って、本当に尊いものなんです。
もはや「普通」には戻れない人生を強制的に歩まされるのは、自分が最終的に受け容れるしか解決策がありません。
一花が病気の話をしたくない気持ちもとてもわかります。
「普通」でありたいから。
でも、いざそれが目の前に突きつけられると本当に辛い。
次巻が楽しみであり怖いです。

泣ける

1

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