東京深川三代目

秋本治

3.21

739

既刊1巻

『東京深川三代目(1)』巻の書影
うにたべたいさんが読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.21

4件の評価

4.2

1巻まで読みました

秋本治氏お得意の、下町の大工を舞台とした人情漫画です。
短編集ではなく、表題の「東京深川三代目」の5話分(プラスおまけ)が乗っており、本巻1冊で完結となっています。
さらに秋本治作品には珍しいことに、ラストはドタバタで落とさず、きれいな形で終了させている作品となっています。

東京都深川区にある大工の3代目として生まれた立花静は、女子高生であるにも関わらず、下町の荒っぽい大工衆をまとめ上げるほどの器があり、段取りがよく、また、大工としての腕前も超一流の腕を持ち合わせている。
現役の棟梁である祖父・立花徳兵、気弱な父・立花墨つぼと共に、様々な事件をその気風の良さで解決していくというストーリー。

1話1話が象徴的で、読んでいい気分になれる作品です。
また、秋本治作品らしく、しっかりとした調査の上で描かれています。
現場のことももちろん、道具やしきたりについても違和感一つ感じさせず、また桐箪笥や石油ストーブ、ブラウン管のテレビなどの小物一つとっても、下町の一家らしいフォルムが守られており、このような作品は今後現れることがないのかもと思われるくらいうまい作品です。

個人的に、これまで読んだこち亀以外の秋本治作品の中で2番好きな作品です。
ちなみに1番好きなのはMr.Cliceですが、長らく休載中なので、早く再開し、こちらもきれいに終わらせてほしいと願っています。

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