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昭和20年、戦争が終わり新しい時代に歩みはじめた日本。突きぬける青空と光る海に囲まれた淡路島の子どもたちが出会ったものは、野球!! 野球を通じた、個性豊かな子どもたちと女性教師との強い絆を描く珠玉の物語。

『男と女の部屋』の書影

男と女の部屋

115

発刊: ~

既刊1巻

故・阿久悠の作詞家としての偉業は今さら語るまでもない。しかし、彼がマンガ界にも大きな功績を残していたことは、意外と知られていないのではないか。 大学卒業後、阿久は広告会社に入社。そこで同僚だったのが、上村一夫である。2人とも早々に退社してしまうのだが、数年後、阿久が雑誌の挿絵に上村の名前を見つけたことから再会。それが縁で、上村が初めて劇画を描くことになったときに原作を務めたのが、阿久だった。  もちろん、上村ほどの才能があれば、いずれ世に出たことは間違いない。ただ、阿久との出会いがなければ、劇画の道には進まなかった可能性はある。実際、上村の初期の連載の多くは阿久原作。のちの傑作『同棲(どうせい)時代』などに描かれた男と女の情念の世界は、阿久との仕事によって培われたものかもしれないのだ。  そんな阿久+上村コンビの作品のなかでも、阿久ならではの詞の世界が色濃く表れたのが本作。高度経済成長から取り残されたような寂れた港町を舞台に、体を売ることでしか生きられない女たちの愛憎を艶(つや)っぽく描く。タイトルは『男と女の部屋』だが、主役はあくまでも女。いずれも哀(かな)しい境遇ながら、どこか達観したかのような強さがある。彼女らの前では、男は道化にすぎないのだ。価格は少々高めだが、作中に登場する阿久の詞を山崎ハコが歌うCD付き。目と耳で、昭和の哀歌を堪能すべし。  小池書院、2100円。73年刊行の作品。新たにCDなどをつけた。

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