11月の東京・新宿。潜水艇操縦士の小野寺俊夫は立ち寄った飲み屋で「ビルが突然地中に飲みこまれる」という不可解な事件に遭遇する。偶然居合わせたレスキュー隊員の機転で窮地を脱したかに思われたが、それは日本に起こる災厄の序章にすぎなかった…
小松左京氏のSF小説を原作にしたコミカライズ作品。 原作は1973年に刊行され、その後、映画化、翌年にはドラマ化されました。 また、1973年の同年スタートでさいとう・プロによりマンガ化もしているのですが、こちらは後年の2006年スタートした一色登希彦氏によるものです。 コミカライズ2作めが連載開始した同年に映画の2作めも製作、公開されているので、当時、その宣伝目的もあったのだろうと思います。 私は原作小説は未読、1973年の映画と、2020年に本作を題材にしたアニメがあって、そちらは視聴済みです。 その日は妙に暑く、11月だというのにセミが鳴いていた。 深海から陸地に上がり、喧騒に嫌気が差していた深海潜水艇のパイロット・「小野寺俊夫」は、同僚の「結城慎司」と共に新宿雑居ビルの居酒屋に入る。 そこで飲んでいると急に局地的な地震が発生し、雑居ビルが地中に沈んでいってしまう。 たまたま居合わせたハイパーレスキューの「阿部玲子」と、小野寺の特殊能力というべき危険予知能力の協力によって奇跡的に犠牲者は出さずに済んだが、それはこれから発生する災厄の序章に過ぎなかった。 日本各地で大地震による重大な被害が発生し、各地での混乱の様子が生々しく描写されています。 特に首都直下型地震発生時の様子は、ガラスが降り注ぎ、炎の竜巻によって避難民が焼かれ、逃げ場のない地下鉄の中で溺れ死ぬ人々の様子が克明で、地震被害にあった方が読むと精神的なショックを受ける可能性があります。 また、福田村事件に代表される、自警団による暴行殺人が横行するなど、"生きている人間の怖さ"の描写もすごかった。 文明人と呼ばれる現代の人々も、極限状態にはこうなってしまうのかもと思わせる説得力がありました。 小野寺と玲子の出会いがお見合いではなく居酒屋であったり、日本沈没の原因もマントルコーンテクトニクスという架空の理論に基づくものであったりと、映画とは大きく違っていました。 また、日本を脱出する人々の受け入れ先の条件が提示されたりと、漫画版のほうが設定等綿密に感じました。 中野昭慶氏の迫力ある特撮が用いられた映画版は、そちらはそちらでおすすめですが、漫画版も異なるベクトルでおすすめします。 ただ前述もしている通り、地震やそれによる津波の描写があるので、トラウマのある方は読まないほうがいいと思います。
by うにたべたい (581)385万部を記録した空前のベストセラー登場 伊豆諸島・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。折から日本各地で大地震や火山の噴火が続発。日本列島に驚くべき事態が起こりつつあるという田所博士の警告を受け、政府も極秘プロジェクトをスタートさせ、日本人を全員海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。小野寺も姿を隠して、計画に参加するが、関東地方を未曾有の大地震が襲い、東京は壊滅状態となってしまう。そして日本沈没の日は予想外に早くやってきた。日本人は生き残れるのか。全国民必読。話題映画の原作。
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