西尾維新さんの作品の書影

西尾維新

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627

4.4

40巻まで読みました

講談社BOXから刊行されている西尾維新原作小説で、アニメも有名な<物語>シリーズのコミカライズ作品。
<物語>シリーズは2024年4月現在、ファーストシーズンから始まり第6部まで書かれていますが、漫画版はファーストシーズンが主です。
基本的には化物語全編と傷物語をなぞったような形になっていますが、途中から他のストーリーで語られる部分が見られるようになり、ノベルスに忠実なコミカライズというわけではないです。
特に死屍累生死郎のあたりで顕著に感じたのですが、オリジナル要素も多くありました。

主人公は男子高校生・阿良々木暦。
とある事情により、とてもマニアックなフェチ向け雑誌を購入して帰途を急いでいるところ、瀕死の吸血鬼に出会い助けてしまう。
それがきっかけとなり、紆余曲折の末、吸血鬼まがいな肉体になってしまう。
「怪異の王」である吸血鬼・キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの存在によって霊的に乱されてしまっている街で、阿良々木暦が街に出没する様々な怪異に憑かれた(あるいは怪異である)少女たちを助けるストーリーとなっています。

作画は大暮維人で、作画は安定してめちゃくちゃきれいです。
エア・ギア、天上天下などでも実績のある通り、アクションシーンも迫力があって読みやすく、なにより女の子がエロくてかわいらしいです。
化物語の魅力って、ストーリーや西尾節全開の掛け合いも重要ですが、キャラクターの比重もかなり高いと思うんです。
そういう意味で、戦場ヶ原ひたぎは妖艶で、八九寺真宵は活発でかわいらしく、神原駿河は元気系で誘惑が激しく、千石撫子は無垢で無知で妹キャラ、そして羽川翼は猫耳巨乳眼鏡委員長に描かれていてとても良い。
原作と作画がいい意味で化学変化を起こした作品だと思います。
マンガは原作小説より先に終了した形になりましたが、できればこのまま斧乃木余接のフィギュア化するのが難しいあたりまで描いて欲しかった。

なお、大暮維人といえば、著作は序盤は良いが途中から散らかってきて何が起きているのかわからなくなるようなことが多いのですが、本作は最後まで散らかりすぎることなく風呂敷に収まっています。
ただ、前述の通り、オリジナル展開も多く、終盤では偽物語やセカンドシーズンのストーリーが足早に描かれます。
終盤では忍野扇も登場、戯言を並べ去ってゆく役回りをしており、そのあたりは割と原作ありきな内容になっていると感じました。
とはいえ、正直、化物語をマンガから入る方がそんなにいるとは思えないので、どちらかといえばファンサービスなのかなあと思います。
ファーストシーズンではそれほど登場しないはずの貝木泥舟も登場するのですが、小説やアニメを知らない場合はなぞのキャラで終わってしまっているところがあります。
もしマンガで入って興味が出た場合、小説、アニメの方も見てみるのをおすすめします。

化物語

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