作品数:11
ファンになる王都に住む子爵令嬢・クラリスは、「ファーレンハイトの宝石」とも称される美しい姉と常に比較され、家族に虐げられて生きてきた。十九歳になったクラリスは、戦果の褒賞として「人喰い辺境伯」との異名を持つ、ジークフリート・グーテンベルクに姉の身代わりとして嫁ぐことになる。ところが辺境伯ジーンは無口で無表情ながらもクラリスを思いやる、包容力に溢れた魅力的な人物だった。それでも「身代わり花嫁」であることに負い目を感じるクラリスは、なかなかジーンへ心を預けられないでいた。そんなある日、突然姉の婚約が決まったと呼び出しを受けたクラリスは、ジーンと二人で王都へ向かう。王都ではこれまでにない心温まる楽しいひと時をジーンと共に過ごしたクラリス。だがそれも姉との対面で一変、クラリスは自分の生家「ファーレンハイト家」の歪みに直面する――! 不遇の令嬢が辺境の地で最愛の人と「幸せな結婚」を掴む、王道ラブファンタジー第2巻!
ぼくが3歳のとき、父は他界。母は神仏やご先祖様の声がきこえる人で 困っている人の相談に乗っていたけど、家はずっと貧乏だった。親族間の面倒事の話し合いをするのはぼく。“家のこと”のために林間学校も修学旅行も不参加。そして―― 15歳のとき母が倒れ、17歳から本格的な介護が始まった。ぼくの世界は全て家の中。あのとき、ぼくが過ごしていた時間は母のための時間だった。ぼくもまわりも気付かないまま――。目次 第1話 社会から取り残された場所 第2話 母は「先生」 第3話 学校より優先される“家のこと” 第4話 背負わされた責任と罪悪感 第5話 ぼくの世界は家の中 第6話 進学という希望 第7話 深刻化するケア 第8話 お母さんのおむつを替えた日 第9話 母の死 第10話 大人になったぼくの仕事 第11話 ヤングケアラー、見つけられた