電気メーカー部長、島耕作が、仕事と恋に、熱くかつスマートに取り組んでいく『部長島耕作』シリーズのバイリンガル版。全巻、ふきだし内のセリフは英語で書かれ、それぞれのコマの枠外に日本語が小さくついている。どのセリフがどの日本語に対応しているか、目を泳がせる必要がなく無理なく読み進めることができる。 <p> 「日本の会社」を舞台としたリアルな設定なので、上司と部下の関係、クライアントとの関係のなかで誰もが自然に使うが、英語では難しいと感じる微妙な敬語の使い分けが学べるのがありがたい。会議の場面で使われる英語などは、実際にプレゼンテーションをする必要がある際に役立つだろう。 <p> 第1巻となる本書では「企業のっとり(hostile takeover)」に対抗すべく、島耕作が奔走する。「のっとり」などというと、難解な英語ばかりが登場すると考えがちだが、「株主総会」が「shareholders meeting」など意外と平易な表現で事足りることがわかる。ビジネス英語に抵抗がなくなる1冊だ。(門倉紫麻)