“ローゼン”セカンドシリーズ「まかなかった世界」編!「まきますかまきませんか」大学にもバイト先にも居場所を見つけられない青年が偶然手にとった雑誌「週刊少女のつくり方」。その日を境に青年を取り巻く世界は変わり始める。謎多きアンティークドール“ローゼンメイデン”を巡る不思議な物語が今、動き出す…!
あむは、クールでかっこいい女の子。でも、ホントは口下手で素直になれない性格なの。ある日、「なりたい自分に生まれかわりたい」とおいのりしたら、翌朝ベッドに3つのたまごが!? そこから生まれたのは、あむの「しゅごキャラ」だっていう、ラン・ミキ・スゥと名のる3人の小さな女のコで……。
人形師・ローゼンの作った魂を持つ7体のアンティーク・ドール「ローゼンメイデン」達が、究極のドール「アリス」になるために彼女たちの生命の源である「ローザミスティカ」を奪い合うアリスゲームを行う。 主人公は過去のある出来事から不登校となり自室に引きこもってしまった少年「桜田ジュン」で、ネット通販で高額ないらないものを購入し期限内にクーリングオフすることを趣味にしていたのですが、ある日受け取ったダイレクトメールに書かれた「まきますか?まきませんか?」の問いに「まきます」と答えてしまうことから、桜田ジュンと、ローゼンメイデンの第5ドール「真紅」の物語が始まる。 今でいうFateシリーズのようなフォーマットの作品で、7体のドールが1体になるまで戦うバトルロワイヤルものです。 ただし、バトル自体は骨子ではありますがメインストーリーではなく、桜田ジュンの成長や、ジュンとドール達の日常を描いた話がストーリーの多くを占めています。 ドールたちは無機物なのですが表情豊かで、飲食をし娯楽を楽しむ描写があります。 体格が人に比べると非常に矮躯である点を除けば、立振舞は人そのものとなっているため、アンティークドールが多数出ますが一般的に楽しめる作品です。 逆に言えば、少々性的倒錯な諸氏には物足りなく感じると思います。雰囲気を楽しむ作品かと。 一方で、人形趣味な人々には人気で、本作をモデルにしたスーパードルフィーが人気を博しています。 また、自らが球体関節を持つ人形であること、本来魂はなく、やがてはモノになる運命にあることを彼女たちは心得ており、しばしば人形であることを思い出させる描写があるのが切なさを感じさせます。 ストーリーは説明不十分なところがあり、納得いかない場面も多々あるのですが、それを差し引いても読みやすく、また個性的なドールたちが見ていて飽きない作品となっています。 全8巻ですが、最終巻は打ち切られたような終わり方となっています。 本作は何度もアニメ化し、ファンも多く大ヒット作だったのですが、アリスゲームにも決着のつかないまま唐突な終わり方をしています。 このラストについては当時から流言蜚語が飛び交っているのですが、公式なアナウンスはなかったように思います。 8巻は7巻までの各巻の半分ほどのページ数となっていて、ぷっつりと終わったその数年後に掲載誌が変わって連載が再開しました。 連載が再開したヤングジャンプ版では完結まで描かれているのですが、私的にはローゼンメイデンとはBIRZで連載していた本作のため、別雑誌のローゼンメイデンは読む気が起きないというのが正直なところです。 機会があれば読んでみようとは思いますが、BIRZ版のラストは本当に残念という他ないです。 そのため、名作ですがおすすめ度は低めにしています。
by うにたべたい (525)アパートで一人暮らしをしている高校生の武哉は、ある日、街で不思議な少女と出会う。少女の正体はディアーズという宇宙人。1年前に地球に漂着した150人余りのディアーズたちは、日本の市民権を得て日本の言葉や習慣を学んでいた。しかし、その少女は言葉をほとんど話せず、勝手もわからない様子。武哉は空腹で行き倒れた少女を仕方なく自分の部屋に連れ帰り、レンという名前をつける。
遥か宇宙から巨大な謎の飛行物体が日本の近海に落下し、その中から地球外知的生命体が現れた。 地球人そっくりだが、飛び抜けて美しい容姿を持つその生命体はディアーズと呼ばれ、彼らは日本政府に正式に国民として受け入れがされる。 その式典から一年経過し、ディアーズは地球を学ぶためにホームステイされ、留学生として学校に通う制度ができる。 一方で、日本で一人暮らしをしている高校生「幾原武哉」のもとに、行き倒れのディアーズ、通称・レンが現れる。 謎のディアーズ・レンと、武哉の物語が始まる。 宇宙人が人間世界に溶け込んだ世界を描いた、NieA_7のようなファンタジー作品。 ローゼンメイデン等を描いたPEACH-PITの代表作の一つで、UNDER17主題歌でアニメ化もしています。 通常知識量が豊富で優秀なディアーズたちとは異質といえるほど挙動が薄く来歴不明なレンの謎を追うのを縦軸としていますが、ディアーズたちと切れやすくて性格の悪い武哉との日常パートがストーリーの多くを占めています。 ディアーズは地球外の生命体なのですが、見た目は地球人そのもので、額の結晶板や首輪のような収納具が見分けるポイントです。 それ以外は地球人と変わりなく、レンもグラマラスなスタイルで顔だけロリ系の少女として描かれています。 ディアーズの女性は皆、エロい体つきで、しかも服装は基本的に半裸、知識に疎いレンは最初、服を着るということすら常識として持っていなかったので、一人暮らしの男の家に何もわからない裸の女の子が転がり込むというエロゲー展開から始まります。 しかもディアーズは、なぜか地球人の奴隷として仕える(そうして種族を保ってきた)という、なにそれなんてエロマンガ設定となってます。 そんなの即18禁になりそうなものですが、この手のマンガによくあるように主人公の武哉はヘタレなので手を出すことをしません。 終盤など、自分に魅力がないのかとレンが泣き出す始末、読んでいて主人公を降りて欲しいと願ってしまったのが正直なところです。 しかも武哉は、言動がとにかく刺々しく、話しかけてきた友人にも鬱陶しそうにあしらうシーンが多いです。 後半に野仲宏史というイケメンが現れ、レンにナンパな気持ちで近づくのですが、やがて本気で心を寄せてゆきます。 多分、嫌な奴枠で登場した野仲の方が、個人的にはかなりいいやつでした。 読んでてレンは野仲とくっついてほしいと思いましたが、こういうキャラは登場時からかませが運命づけられているのは悲しいことですね。 主人公はいけ好かないですが女の子はかわいらしく、最後まで楽しめました。愛は地球を救う。 設定、展開がかなりご都合主義的なので、細かく考えずに楽しめる方向けだと思います。
by うにたべたい (525)