映画大好きポンポさんのスピンオフで、前半はポンポさんとは少し異なりオムニバス的な作品となっている。 役者を中心に作曲家や脚本家などの面から映画制作について語られており、客観的視点から繰り出される鋭いパンチライン的セリフは健在で時々ハッとさせられる。 本編とクロスオーバーしており、特に後半はスピンオフというより別角度からのお話といった感じでニヤニヤできます 本編と比べ毒は少なめで、さらに真っ直ぐで王道の成長譚が描かれているが、やはりこのタイプの成り上がりストーリーは悔しいながら期待感に溢れてしまうので好き… 自分は詳しくないけど、今作は特に映画が好きな人ならより面白く読めるのでは
by サ (572)いまやスターとなった親友のフラン先輩。それと比べて自分は……? そんなガサついた気持ちで日々を過ごすカーナは、ある日事故に巻き込まれた映画の科学考証家・デュラントと出会う。「最高のSF映画をつくりたい」そんな彼の夢と彼が書いた脚本を利用して、カーナは自分がヒロインになることを条件に、ペーターゼンフィルムのプロデューサー・ポンポさんの元を訪ねるのだった――。「映画大好きポンポさん2」そして「映画大好きフランちゃん」後のニャリウッドで、再び創作の狂気が覚醒する!
話的には映画大好きフランちゃんの正統続編の作品であるが、一話完結の形式はなく、スター性のある素直なフランちゃんとは対照的な、より不器用で捻くれたカーナちゃんが主人公のストーリーものとなっている。 そのぶん少しザラザラした感情やトゲのあるエピソードが取り込まれていて、ドラマチックなエンタメとして昇華されている さらに映画と芸術に関する論理の鋭さがマシており、クリエイターの信念が垣間見え、相変わらずニヤニヤさせてくる良作 中でも、前作主人公との対比で悩み抜いた今作主人公が、役者としては邪道ながらも人並外れた精密なブランディングでヒロインを演じるシーンは最高に気持ち良いし、次第にその集中に狂気を帯びて邪道を超える瞬間は激アツ…その際の演出も素晴らしい。 個人的には前作より好みかもしれない。 そしてこちらも毎度のことながら作中作のクオリティが凄まじく、この漫画の説得力をより強固なものにしており、納得度の高いものに仕立て上げているのはさすがとしか言いようがないです。 そして恐らく初めて、次作への繋がりも描かれているが、この漫画の余韻を浸らせる間もなくワクワクしてしまう非常に楽しみ
by サ (572)