高橋しんさんの作品の書影

高橋しん

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356

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hrd

01whirlwind
2週間前

3.6

7巻まで読みました

切ない…

最終兵器彼女

レビュー(249)件

完結・全7巻

3.9

2007年12月から不定期連載し、2019年9月発売の第5巻で完結しました。
私は未だに電子書籍が認められなくて、書籍の購入は紙媒体のみを選択しているのですが、本作は電子版のみがカラーで紙の本は白黒版となっているようです。
カラーだと情報量が増えて読むのかしんどくなるので、写真集などでもない限りは白黒の方が好みなのですが、電子版も紙も値段は一緒でカラーにあわせているため一冊が割高です。
また、2巻までは一冊のページ数が多く、ボリューム感があるのですが、3巻以降は厚みが普通のマンガサイズのため、お得感が低いです。
私は気にせず購入しましたが、これから購入する方はご留意を。

ストーリーは最終兵器彼女以降の高橋しんお得意の、いわゆるポストアポカリプスです。
ただし、物語の中心は奥たんの日常と、その日に旦那たんために作る料理にスポットが当たっています。
世界の情勢や滅びに至るまでの経緯については断片的に伝えられるのみとなっており、各話の最後には、ペットのミニウサギの「Pたん」が適当な感じで紹介する、話中に登場した料理のレシピが掲載されています。

ある日突然都心に巨大な花が出現し、東京は唐突に死んでしまう。
北海道から横浜の外れに嫁いできた、新婚の奥たんは、出勤したまま帰ってこない旦那たんを待ちながら、今日もおいしいご飯を作り続けるという少し悲しい物語で、世間的には日常が一転し、粛々と滅びの運命を辿っている雰囲気が感じられます。
ただ、奥たんは体は小さいのにかなり肝っ玉が据わっており、怯えたり、旦那たんを心配して悲しみにくれるような描写は無く、人々が汚染されているのではと警戒して口にしようとしない巨大化した野菜なども平気でおいしく料理します。
伝え聞く限りはかなりヤバい状況らしいのですが、悲壮感はなく、むしろ非常にホンワカした作風です。
その辺、高橋しんらしいと思いました。

3巻から5巻は一ヶ月おきに発売されましたが、1巻から2巻は約4年、2巻から3巻は6年以上空けて発売されていて、2巻までと3巻以降で奥たんの顔が変わってしまったのが少し残念です。
ただ、一貫して作品の雰囲気やバックエンドにあるらしい物語は変わっておらず、それほど違和感なく読めました。

1巻無料

花と奥たん

レビュー(13)件

完結・全5巻

4.3

1巻まで読みました

“いいひと。”のスピンオフ短編集。
“いいひと。”ファンにはおすすめの一冊。それ以外の方には需要ないと思いますが。
収録作は6編で、その半分、内3篇はみっちゃんが主人公。表紙も成長したみっちゃんです。
その他3篇は主人公が異なりますが、なんでこのキャラを登用した?みたいなマニアックな人選はなく、本編の準主役といえる方々が主人公となっています。
個人的に好きな副社長や、Aqua Air開発の変態の人(名前忘れた)のスピンオフ短編とか読みたいと思うのですが、無難なキャラがメインとなっています。

各作品の感想は以下の通り。

・さよなら、パパ。14歳~旅立ち~
北野雄二がお世話になった下宿先の子供、みっちゃんこと城山みち子が主役のスピンオフ作品。
本作と次の“卒業”は前後編となっています。
本編最終回後から年月が経過し、14歳となったみっちゃんが、北野雄二を訪ねて単身札幌までトリップする話。
大きくなったとはいえ、中学生が一人で行けるほど北海道は近くなく、道中ろくでもない男に騙されて一緒に旅をすることになる。
その間ひどい目に逢いながらも、少し、大人に近づくという話、要約すると危ない雰囲気がしますが、そういう話ではないので、残念ながら。
少し切ない経験を経たみっちゃんの旅は後半に続く。

・さよなら、パパ。14歳~卒業~
後半。札幌に到着したみっちゃんが、北野雄二のお店に変装をして訪れるが、という話。
みっちゃんと妙子のオトボケな会話を楽しむ話、と見せかけて、実は、という内容でした。妙子さんはすごいなぁ。
本作を持ってみっちゃんは憧れの存在である北野雄二にお別れを告げて、また少し成長するのでした。
なお、本作品集において北野雄二は登場しません。
そこは寂しいような気もしますが、北野雄二は出てくると何もかもを大岡越前の如くまるっと解決してしまうので、スピンオフ短編としては出ないほうが正解なのかもしれません。

・見合いでごはん
二階堂さんが主役。
城山部長の頼みでお見合いをすることになった二階堂さんが、部長のメンツを保ちつつもうまく断ろうと画策する話。
本編のキャラ通りの二階堂さんで、不器用の果にひどい別れ方をするも、なんとなくいい雰囲気で終わるストーリーとなっています。
ファンとしては、富士野大の岩館くんとはどうしちゃったの?と気になってしまうところですが、彼とは本編時以上の絡みはなかったようで、回想としてすら登場しないために少し切ないような気分になってしまいました。

・フレデリック
本編連載時にも散々話題になった、稲葉くんの謎の本の話。
本誌を手にとった人の多くは、本作が読みたくで本書を買ったと言っても過言ではないのではないでしょうか。
スれててエロい稲葉くんの高校生時代の話となっています。
ただ、話自体は抽象的すぎてよくわからなかったというのが正直なところです。
結局の所、本編でなぜあんなに怒ったのかもわからず終いでした。

・小雪ちゃんとあそぼう!
タイトル通り、小雪ちゃんの話。
相変わらず就職浪人中でライテックスでアルバイト扱いで働いている小雪ちゃんがある日合コンに行くことになり、それを聞きつけたLCチームのメンバーが合コンに闖入する。
一番いいひと本編っぽい、ご都合主義でハッピーエンドな話でした。本短編集内では一番好きな話です。

・さよなら、パパ。
再びみっちゃんが主役の話。ただし、本編終了からそれほど年月の経っていない、6歳のみっちゃんが主人公。
6歳の女の子が、単身札幌まで北野雄二に会いに行き、紆余曲折の末ゆーじのお店に着いて、そして。
本書一作目で14歳のみっちゃんを先に読んでいるため、その顛末を知っているので、本作はより切なく感じます。

“いいひと。”を読んだ上でないと楽しめない作品集ですが、全作品名作です。
感動したい人、面白い漫画が読みたい人には私的には“いいひと。”とあわせておすすめします。
久しぶりに押入れから引っ張り出してページを捲りましたが、年を経てもやっぱりいい作品集だと思いました。

さよなら、パパ。

レビュー(1)件

既刊1巻

4.3

7巻まで読みました

高橋しん氏の「いいひと」の次の連載作品。
「いいひと」は、型破りな方法で事態を解決し結果皆を幸せにする、スポーツメーカーに務めるサラリーマンにスポットを当てた大人をターゲットとした作品で、その流れからほんわかした日常的な作品をイメージして本作を手に取ったのですが、初々しい高校生カップルの話が始まったや否やで爆弾が投下され、戦闘用に改造された彼女が彼氏の前に現れるという、冗談のような、幻夢のような光景にあっけを取られました。あれ?これって高橋しんだよね?みたいな。
ただ、それは結果としていい意味で期待を裏切られたと感じています。

平和な日々が続いていくと信じていた北海道のある町に突然ミサイルが降ってくるという、パニックムービーのような始まり方をするのですが、唐突なのは始まりだけで、以降、世界が穏やかに破滅してゆきます。
話のイメージは、ネビル・シュートの"渚にて"を読んだことがあればわかりやすいと思います。
その世界は、少しずつ終わりに近づいていて、どう足掻こうが為す術はない。ただ異なっているのは、本作では大勢の人はそれを知らされておらず、ただ懸命に今を生き続けていることです。世界があと2,3日で終わりを迎えることが決まっていたとしても。
人類の終わりを知った上で死ぬのと、何も知らされずに日常の中で死ぬのと、どっちの方が良いのでしょうか。

兵器である彼女は人を殺すのですが、その敵が何者か、そして彼女が何者によって、いかなる技術を用いて超兵器となったのか、また戦争となった原因などについては作中で明示されません。なぜ世界が終わるかについても。
作中、敵兵は英語やフランス語を話すのですが、戦争部分は言ってしまえばエッセンスで、主題は最終兵器になってしまった彼女、ちせと、クチの悪い彼氏、シュウジの二人の物語となっています。
ただ、飛行能力や体内からミサイル射出、敵索機能や睨むだけで壁に大穴を開ける力など、ちせは明らかに作中でもオーバーテクノロジーと呼べる力を備えており、その上で人としての姿形、機能を維持しているというのは、奇跡というにはご都合主義すぎるかなと感じました。

最終兵器のちせとは違い、シュウジについては普通の男の子として描かれています。
色々知ってしまい、悩み、戦い、受け入れならざるものを受け入れ、出し様のない答えを出しながら、最後まで彼氏であろうとするシュウジと、最終兵器の彼女の物語は、なるべくしてなったラストを迎えます。
ラストは虚無感がすごいです。
おすすめの作品ですが、本作は噛み締めて読むことが大事だと思います。
何度も読み返してようやく味がわかる作品だと思うので、全7巻と巻数がそれほど多くなく、文字数も多く、コマ割的に読みづらく感じる場面もありますが、さらっと流すのではなく、コーヒーなどをお供にじっくり読むことをおすすめします。

最終兵器彼女

レビュー(249)件

完結・全7巻

3.7

1巻まで読みました

高橋しん作品。一冊で完結。
マーク・トゥエインのトムソーヤが原作とクレジットされてますが、ほとんど原型はないですね。
元ネタを知っていればにやりとする場面が多々ある程度のため、原作は読んだことがなくても楽しめますが、一応、知っておいたほうがおすすめです。

母の死の知らせを聞いて田舎に帰ってきた美大生(ほとんど行っていない)の女性、ハルと、親戚のおばさんの元に預けられている中学生の少年、タロが、ひょんなことから真夜中の墓地で殺人を目撃してしまう。
二人は、これを二人だけの秘密にして、血の署名をつけた宣誓書を交わす。
また、タロと同級生の女の子、ハナとの恋物語があったり、子どもたちだけで海をゴムボートで渡り海賊ごっこをしたり、時たまフラッシュバックする殺人の光景が頭をよぎりながらも、冒険の日々を送る。
舞台は現代日本ですが、大まかな筋、ラストもトムソーヤのそれに倣ったものになっていて、その置換が大変上手いと感じました。
トム・ソーヤがタロで、ハックルベリーがハル、ポジションです。
(トムがタロになったのは、一般的な男の子の名前を日本風にした結果かな)

ハルの行動が無責任すぎる(殺人を通報しない、親に無断で子供だけで無人島に寝泊まりしているのを傍観する など)点と、犯罪者側の描写が少なすぎてハルやタロの不安にリアリティーが感じられない点がマイナスですが、高橋しんらしく、意地悪な継母も優しい人で、嫌味ったらしい田舎の人々も人情に溢れた優しい人々に描かれており、心温まるいい作品だと思いました。

ちょっと厚い1冊ですが、おすすめです。

トムソーヤ

レビュー(6)件

既刊1巻

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