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平塚柾緒

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『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』の書影

ペリリュー -楽園のゲルニカ-

3.75

4384

発刊: 2016.07.29 ~

完結・全11巻

新刊通知

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昭和19年、夏。太平洋戦争末期のペリリュー島に漫画家志望の兵士、田丸はいた。そこはサンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた楽園。そして日米合わせて5万人の兵士が殺し合う狂気の戦場。当時、東洋一と謳われた飛行場奪取を目的に襲い掛かる米軍の精鋭4万。迎え撃つは『徹底持久』を命じられた日本軍守備隊1万。祖国から遠く離れた小さな島で、彼らは何のために戦い、何を思い生きたのか──!?『戦争』の時代に生きた若者の長く忘れ去られた真実の記録!

作品レビュー

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4.4

11巻まで読みました

太平洋戦争下で戦場となったペリリュー島での戦いについて描かれた戦争マンガ。
史実を参考にしたフィクションで、漫画家志望だった初年兵「田丸均」一等兵の目から、戦争の陰惨さを描いたものとなっています。

南海のペリリュー島に、「とりあえず殺れるだけ殺って死んでくれ」という任務を背負って降り立った小隊の物語です。
食料も物資も無い孤島で、飢えに怯え、アメリカ兵に警戒しながらサバイバルを続ける内容となっています。
その頃の日本の戦局や作戦状況等の描写はなく、日本は、戦争はどうなったのか知らされないまま、兵隊たちは来るはずのない応援を願います。
描かれているキャラは等身が低くデフォルメされてますが、撃たれ、刺され、生きたまま腐り、恨み言を口にしながら死んでゆく様がリアルに描写されています。

ペリリュー島で作戦行動をしている小隊の活動内容にのみスポットがあたっており、戦局や大本営の様子などは描かれないです。
戦艦だったり政治だったりについても描写はほぼ無く、戦争を知るというよりは、戦場そのものを知る内容と思います。
基本的には、病気や怪我で少しずつ仲間が死んでゆく展開で、ひたすらに悲惨でむごたらしいです。
一緒に語り合っていた仲間が、潜伏先ごと燃やされたり、生き埋めにされたりします。
かわいらしさすら感じるタッチですが、描かれている内容は地獄で、考えさせられる作品だと思います。

後半はすでに日本は降伏をした後であり、客観的に見て死ぬ必要が無い兵士たちが玉砕してゆきます。
親がいて、妻子がいて、生活があった、だけど死んだ、それも戦争は終わっていたのに、そこに何とも言えない悲しさを感じました。
作中では、戦争が終わったことを伝えるビラが撒かれ、『日本で白人と日本人が仲良く撮影されている雑誌』を兵隊たちは目にしますが、それでもそれは敵の作戦であり、戦争は続いていると信じて疑わなかった。信じるわけにはいかなかった。
本作では、ペリリュー島で戦い続けた、日本兵たちの信念を描き出した傑作だと思います。

ただ、作者も戦争に参加したわけではなく、本作は聞き込みから描いたフィクションとなります。
その点については終幕時にも書かれていて、本当の戦争とは、マンガや小説、映画で描かれているものでは根本的に描けないものなのだろうなと思いました。

ペリリュー -楽園のゲルニカ-

レビュー(66)件

完結・全11巻

3.0

8巻まで読みました

いつか読み切りたい。

ペリリュー -楽園のゲルニカ-

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完結・全11巻

5.0

11巻まで読みました

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完結・全11巻

3.0

11巻まで読みました

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完結・全11巻

4.4

11巻まで読みました

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4.0

11巻まで読みました

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完結・全11巻

3.7

11巻まで読みました

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3.0

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