板場広志さんの作品の書影

板場広志

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作品数:12

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60

3.8

13巻まで読みました

過酷な現場で社畜として働く中年サラリーマンが、事情により女子中学生の少女と同居することとなってしまうという作品。
作者はエロ漫画畑出身で、設定もエロゲーまがいですが、内容は極めて真面目です。

主人公の「東根将彦」は、ゲーム業界に務める中年独身のサラリーマンです。
彼は、入社以来欠勤したことはなく、会社に何日も泊まってプロジェクトを遂行する根っからの社畜です。
ある日、彼の高校時代の友人・君島里見の娘と名乗る少女「君島優里」が訪ねてきます。
優里は"将彦を頼れ"というメモを母から預かっており、困り果てた将彦は、「母親が帰ってくるまで」という約束の元、優里と同居生活を始めるという展開です。

作者は成人向け漫画作家として著名な板場広志氏。
本作の掲載誌も成年向け雑誌ということもあり、作中には性的描写がありますが、(当然のことながら)優里のセクシーシーンは無く、基本的に健全です。
将彦は常識的で誠実な人物で、優里に対しては父のような感覚で接します。
そんな将彦と優里の日常や、会社の激務に翻弄される日々が描かれています。

血の繋がらない親子ほど年の離れた男女が同居していること自体が問題ですが、そのあたりもしっかり描かれています。
ある日、将彦の家に警察官がやってくるシーンは、そりゃそうなるよなと思いました。
作品中盤以降は、そのあたりもクリアした形になるので、単に中年リーマンが女子中学生と一緒に住むだけの、危ない作品ではないと思います。
世間一般的に見て好奇の目に晒されかねない、"こういう形の人間ドラマ"であり、面白く読めました。

ただ、中年社畜のはずの将彦は清潔感のあるイケメンで、そこだけアンリアルさを感じました。
見た目腹も出ておらず、肌もキレイです。
徹夜明けとか髪の毛は油でベタベタになってて、道を歩く人皆敵に見えるくらいだと思うのですが、将彦は夜勤中、美人上司とオフィスラブに勤しむので、社畜でいいからこんな職場に入社したいですね。
また、将彦は優里の担任教師と恋仲になるのですが、彼女を以前から狙っていた男性教師の行動が酷過ぎでした。
普通に犯罪者で、どこかで罰が下ると思いきや、その男性教諭の都合のいいように事が運んで、そのままフェードアウトする胸糞展開なので、そこだけは許せなかったです。

ラストは、個人的にはすごく良かったです。
そこに至るあれやこれやを思い返せば、最も祝福すべき着地点だっと思います。

社畜と少女の1800日

レビュー(40)件

完結・全13巻

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