1966年には兄である平田弘史が南條範夫原作『駿府凄絶大仕合』を手がけ ているが、平田の描いたこの劇画は駿河城御前試合第二試合以降の話を元にした ものであり、平田版では「無明逆流れ」は収録されていない。弟であるとみの描 いた本書は寛永6年9月24日、駿河大納言徳川忠長の面前で行われた駿河城内の全 11組の真剣試合の第一試合にあたる。また、現在「チャンピオンRED」で連載 中の『シグルイ』の原作でもある。 『美童記』は五代将軍綱吉の頃の物語である。徳川家は五代目を重ね天下はすこ ぶる泰平。しかし風俗は壊乱、男色大流行の世相をみせた時代である。そしてこ の物語はそうした時代に悲しくも容姿端麗に生まれてしまった男の時代に翻弄さ れながらも己を貫く姿を描き出した作品である。
<異種武術戦>をリアルに描く、剣戟アクション!孤高の老剣士・辻月探が鎖使い、ローマ闘士、三国志の猛将などと真剣勝負!悪党を倒すために強くなりたいと弟子入りした青年・吾作は驚嘆と稽古に明け暮れる―――剣術に精通する著者が<異種武術戦>を通して日本剣術の神髄を活写!■目次■・第一抄振り・歩行の巻/・第二抄無駄を除いた「打ち」「反り」の効用の巻/・第三抄双手・片手による刀剣の形状の変遷の巻/・第四抄双手使いの巻/・第五抄抜刀・居合いの巻/・第六抄剣先のネバリと八方目の巻/・第七抄双手握りによる剣先のネバリの巻/・第八抄二刀流の巻