鈴原みさきは中学1年生。上京した彼女が見たものは「エンジェル」と呼ばれる人形たちがTV画面の中で華麗に戦う疑似格闘ゲームだった。この「ANGELICLAYER」の虜になったみさきは「天使の卵」を購入。自分だけのエンジェル、ヒカルをつくり出した!!
少年エースで連載されていたCLAMP作品。 2000年前後はCLAMPの知名度が急上昇していた時期で、同時期の作品として「カードキャプターさくら」や「ちょびっツ」などがありますが、両作品に比較すると認知度は低く、埋もれがちな作品です。 ただ、本作もアニメ化され、当時は人気があった作品だったように記憶しています。 また、世界観がちょびっツとつながっていて、本作を読んだ後にちょびっツを読むと不思議な発見をすることがあります。 近未来の日本を舞台にした作品で、発達した技術が生み出したオモチャ"天使(エンジェル)"を使ったバトル、"エンジェリックレイヤー"を主題とした作品です。 主人公「鈴原みさき」は、私立の中学校進学のために上京し、街のスクリーンで偶然見かけたエンジェリックレイヤーに魅了されます。 そして、謎の白衣の男性「いっちゃん」に突然声をかけられ、進められるままにエンジェルの卵とスターターキットを購入、みさきは購入したエンジェルに「ヒカル」と名前をつけ、エンジェリックレイヤーの世界に飛び込んでいくという話です。 CLAMP作品らしい強引なストーリー展開と整合性の合わないオチは本作も健在なのですが、テーマがオモチャでのバトルであることから世界の崩壊レベルの大きな風呂敷が広げられていないため、多少の強引さは目を瞑れるレベルとなっています。 CLAMP作品にしてはラストも含めて終始ほんわかしていて、普通に楽しめる作品です。 私はCLAMP作品にはほとんど触れていますが、CLAMPで好きな作品を3本上げるとランクインするほど好きな作品です。 ただ、ご都合主義色がかなり強い内容になっていて、主人公はエンジェリックレイヤーで初めて遊んだのに、トントン拍子で大会を勝ち進みます。 そして、最強と呼ばれる対戦者が次々と現れるのですが、ろくな見せ場もなくみさきに敗退してゆくため人によっては残念に思うかもしれないです。 個人的にはご都合主義展開が大好物なので、ストーリーは同じで良いと思うのですが、もっと尺を長くして欲しかったと思いました。
by うにたべたい (528)他に『円盤皇女ワるきゅーレ』や『神無月の巫女』などを描いた介錯の代表作のひとつ。 何度もメディアミックスされ、現在もアニメ主題歌の"KissからはじまるMiracle"は一定年齢代以上のアニオタはマストで歌えるナンバーです。 サクラ大戦や花右京メイド隊などと同様、00年代アニメを代表する一作の原作マンガですね。 一応、日本の大正中期が舞台です。 陰陽師家の少年・神維仲人が、なぞの機械だらけの部屋に迷い込み、そこでスリープ状態にあった鋼鉄天使くるみと偶然キスしてしまう。 そのキスによって、仲人はくるみのご主人さま登録され、くるみは起動することになります。 少女の見た目をした鋼鉄天使は、オーバーテクノロジーで作られたメイドロイドで、普通の少女と同じように人格があります。 くるみ以外にも、鋼鉄天使弐号機サキ、参号機カリンカが登場し、少年陰陽師の主人公が、美少女型鋼鉄天使といちゃいちゃする内容です。 いかにも同人受けする設定ですがストーリーは結構ハードです。 エンゼルハートを宿した鋼鉄天使は軍事兵器であり、開発者の綾小路鉄男氏は、鋼鉄天使に殺戮をさせることに反対したためにくるみ、サキを隠匿したんですね。 序盤は鋼鉄天使を奪うために軍隊が、サキや、独自開発のエンゼルハートを2つ搭載した鋼鉄天使・カリンカをぶつけます。 その後、世界の鋼鉄天使がぶつかり合い爆発的な技術革命を狙う"鋼鉄天使計画"の話が登場し、仲人と鋼鉄天使たちは戦いの渦中に飛び込んでゆく展開です。 ストーリーはハードですが、美少女タイプの鋼鉄天使が大量に登場する上、装甲が破損しポロリするシーンも多数あり、基本的には明るい内容です。 ただ、未来や過去へ飛んだり、未来人や魔属と呼ばれる存在が登場するなど、ストーリーが進むに従って複雑になっていきます。 バトルシーンが多く、コマも混雑しているので、結構読むのが大変です。 「~ですぅ」みたいなくるみの口癖も今読むとつらいものがあり、当時のファンが回顧で読むにはいいと思います。
by うにたべたい (528)