川で溺れて以来、ゆうれいを見るようになった日下。日ごと現れる白い手だけのゆうれいのことをとてもよく知っている感じがするのに、それが何故なのかはわからない。やがて、その手に導かれるようにして、思い至る。この学校には「ひどく乱暴な先生」と「そばかすの生物委員の男の子」、自分と「親友のスウ」しか存在しない、ということに―――。人なつこくて、やさしくて、この世ならざるものにまで心寄せてしまう日下と、そんなふうに危うい彼が心配で怒ってばかりの平片。親友とそれ以上のあわいに揺れるふたりが出会う不思議な出来事は……?