高校最後の夏、同級生は、やり残したことを消化しようと恋愛に必死だったが、忘れられない人のせいで、瀬島凛はみんなのように恋をする気になれなかった。いつも携帯を手にして、返信のない「あの人」にメールを送る凛。そんなとき、人数あわせで参加した合コンで出会った千場は、どこかあの人に似ていて――。あの声、あの目、あの笑顔。どうすればつらくてくるしい恋から進めるのか。表題作のほか、壊れそうなほど美しい同性の親友に恋心を抱く「夏に落ちる」、血のつながらない弟との禁断の恋を描いた「さみしい夜は」など3編を収録。