だがしかし

コトヤマ

3.55

13548

発刊:2014.09.18 〜

完結・全11巻

『だがしかし(1)』巻の書影
『だがしかし(2)』巻の書影
『だがしかし(3)』巻の書影
『だがしかし(4)』巻の書影
『だがしかし(5)』巻の書影
『だがしかし(6)』巻の書影
『だがしかし(7)』巻の書影
『だがしかし(8)』巻の書影
『だがしかし(9)』巻の書影
『だがしかし(10)』巻の書影
『だがしかし(11)』巻の書影
ぽんぽんさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.55

370件の評価

4.0

11巻まで読みました

とある田舎の駄菓子屋さんを舞台にした、実在する駄菓子をテーマした作品。
基本的に一話完結型で、1話につき1つの駄菓子を題材とした物語を展開する構成になっています。
1話あたり8ページ程度と短く、1巻では15話ほどが収録されています。
各話ではテーマとする駄菓子の雑学、由来や誕生の秘話が描かれていますが、テーマの割に内容は軽く、ストーリーが進む回もあるのですが、ほとんどの話でストーリーはあってないようなもので、取り上げた駄菓子で大騒ぎするだけで終わる回が多いです。
ストーリー性は弱いのですが、通しで読んだからこそ感じたことで、リアルタイムで読んでいるときはそもそも一話数ページで終わる漫画にそれを求めることもなく、最終回はぐだぐだで終わることの多いこの手の薀蓄付きコメディ漫画としてはいい終わり方だったと思います。

舞台は田舎の駄菓子店。
漫画家を夢見ている主人公「鹿田ココノツ」は家族経営している駄菓子店を継ぐことを嫌がっているのですが、ある日、大手お菓子メーカー「枝垂カンパニー」の社長令嬢であり、駄菓子マニアの「枝垂ほたる」が訪れる。
ほたるはココノツの父、ヨウを引き抜きに来たのだが、店があるためヨウは誘いを断る。
それを聞いたほたるは、あの手この手で駄菓子の魅力を語り、ココノツにその駄菓子店を引き継がせようとするというストーリー。

本作の魅力はなんと言っても、駄菓子の薀蓄、作者の溢れんばかりの駄菓子愛、これに尽きます。
紹介する駄菓子は基本的に存在するもので、“うまい棒”や“わたパチ”、“うんチョコ”、“あんこ玉”、“ヤッターめん”などなど、一定の年齢以上の方にはお馴染みの駄菓子です。
“セブンネオン”の初見殺しな食べ方や、“どんぐりガム”のあのなんとも言えない噛んだときの感触など、子供の頃、駄菓子屋で駄菓子食べまくてった自分としては感涙の内容となっています。
また、本作で初めて知った内容も多く、勉強になりました。
後半は駄菓子か?というお菓子も取り上げる回が多かったのが少し残念です。時代のニーズに合わせたのかなと思います。
さん太郎シリーズのお菓子がほとんど出てこなったり、メジャーでも日本一ながいチョコやフェリックスガムなど、取り上げられない駄菓子が多々ありました。
また、駄菓子を語る上では欠かせない、菓道・リスカ・やおきんの話や、仙台駄菓子の歴史と文化の話なども登場しなかったです。
メジャーな出版社の漫画として、特定メーカーの内部的な話を取り上げることができなかったのか、またはにわか知識で描いて炎上させたくない気持ちがあったのかはわかりませんが、ただ、取り上げて欲しい話題ではありましたが、それでも本作の内容は駄菓子好きには素晴らしく、魅力が伝わる内容になっていると思いました。

余談ですが、本作はアニメ化もした話題作ですが、そもそも店舗の駄菓子屋で駄菓子を買ったことが無い層が本作を読んでどう感じるのか、個人的に気になるところです。

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