この漫画のレビュー

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1058件の評価

4.6

15巻まで読みました

北海道の農業高校「大蝦夷農業高等学校(通称:エゾノー)」を舞台とした学園モノ。
高校受験に失敗した「八軒 勇吾」は、父や受験戦争から逃げるように農業高校へ入学するが、体力勝負な授業や、家畜達の現実などを目のあまりにして、人としての成長や自分の本当にやりたいことは何かを見つけるストーリーです。

荒俣宏といえば"鋼の錬金術師"なわけですが、本作はファンタジー色のない全く毛色の異なる作品です。
農場経営の現実、ものづくりの楽しさ、食卓のお肉ができるまでの流れなど、普通の学校で学ぶこと以上のことが本作ではドラスティックに描かれています。
特に、名前をつけてしまった畜産豚の、屠殺から食当肉として加工、豚丼にして食べるまでを描いたシーンは象徴的です。
ただ、残酷な、暗い作品というわけではなく、勉強になるが明るくて笑える作品でした。
ただ、登場人物は皆、高校生にしては現実を見据えていて大人びた印象がありました。
舞台が普通の公立高校などではなく農業高校で、親が経営をしている家庭が多くなるためなのかもしれないですが、乱れまくったり遊びまくったりの生徒がおらず一様に良い子だらけなのが不自然に感じました。
お色気要素はほぼ無く、そんなことよりも牛だ豚だ馬だという異色の内容だと思います。

全15巻。途中、休載や不定期連載となっていたため連載期間は長期でしたが、当初の予定通り、八軒の高校3年間を描ききって完結しています。
ラストは、らしいといえばそうですが、修羅の道を選択していて、漫画のキャラクターですが、その後の彼が心配になりそうな終わり方となっています。
ただ、本作で描かれた3年間から、彼なら大丈夫と思えるようないい終わり方だと思いました。

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