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大竹利朋
3.07
1309
新刊通知
発刊:2016.10.19 〜
完結・全5巻
17件の評価
うにたべたい
3.6
『もぐささん』の続編。大学に進学し、地元栃木から東京に出てきて一人暮らしをすることになった「百草みのり」。大学進学をきっかけに自分の底なしの食欲を自制し、『一日三食で間食なし』を目標に、食欲と闘うことを決心したもぐささんの日々が描かれたものとなります。前作から舞台が変わり、キャラクターは一新されます。前作のキャラも登場しますがチョイ役程度で、前作の主人公だった小口くんですら、料理の修行のため京都に行っており、登場シーンは少ないです。そのため、続編ですが、前作は読んでなくても楽しめると思います。序盤は一人暮らしを始めたもぐささんが、バイトを始めたり、大学生活をスタートさせる場面が主になります。中盤以降、バイト先や大学の友達との交友、グルメサークルの活動の中、自制の利かない食欲に翻弄されて奇行をしてしまう展開です。ただ、前作のようなステルス食いや目を欺いてバレないように食べる展開は少ないです。食い意地の張った女の子が、それを恥じてひたむきに隠すのですが、たいてい残念な結果に終わる日常を綴ったものとなっています。恋人の小口くんとは遠距離恋愛となり、もぐささんに惹かれるサークルの先輩は登場するのですが、即時玉砕します。そのため、作中恋愛要素はほぼ無いです。正直なところ、もぐささんを引き立てていた小口くんが本作中にいないためか、あまり主人公に魅力を感じられませんでした。個人的には小口くんはなよなよしていて好きになれませんでしたが、本作を読むと小口くんは必要だったんだなと思います。デフォルメされたギャグシーンが多く、温泉回や水着回などのサービスカットもありません。もぐささんの可愛らしさで成り立っていたところがあった作品からそれを奪ってしまっており、前作のほうが個人的には好みです。ラストも畳み出すのが唐突な感じがありました。ただ、食欲と戦っていたもぐささんが、自分の食欲と向き合い、人として大きく成長する姿を描き出したのは良かったと思います。前作もですが、気になる点はありますが嫌いにはなれない、良作だと思います。
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