この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
4.03

1163件の評価

4.5

29巻まで読みました

明治末期の北海島を舞台にした作品です。
アイヌを殺害して金塊を奪ったとされ網走監獄に収監された男が、金塊の在処を残すため複数の囚人の身体に隠し場所を示す入れ墨を彫り脱獄させます。
入れ墨は一つでは場所がわからないようになっており、金塊の場所を特定するためには、囚人の入れ墨・刺青人皮を集める必要がある。
財宝の在処を巡る複数陣営の争いを縦軸に、アイヌと北海道の歴史、アイヌ文化や自然について語られる内容となっています。

主人公は元・日露戦争の陸軍兵「杉本佐一」。
彼は亡くなった友人の妻であり幼なじみの「梅子」の眼病の治療費のため、お金を必要としています。
そんな折、偶然に出会った網走監獄の脱走兵から金塊の話を聞き、戦いの渦に飛び込んでゆく展開です。
また、杉本は、冬眠明けのクマに襲われていたところ、アイヌの少女「アシㇼパ」に救われます。
殺害され金塊を奪われたアイヌは彼女の父であり、アシㇼパは父の仇を討ち金塊を取り戻すため、杉本と行動を共にします。

杉本の他に、鶴見中将率いる陸軍第七師団、蝦夷に独立国家を築くため金塊を狙う元新選組副長「土方歳三」陣営の、大きく3つの陣営が金塊を狙っていて、北海道中に散らばった入れ墨を持つ囚人を巡り競い合うという内容です。
奪い合いは刀や鉄砲で殺して奪うのが基本で、熊による獣害描写もあります。
集めるものがそもそも人の皮ということもあり、全体的にグロいシーンが多々あるので注意が必要ですね。
また、3つの陣営は競い合っているのですが、分裂したり、一時的に手を組むこともあり、登場人物も多いです。
2022年4月7日から28日までの全話公開で一気読みしてみましたが、状況がわからなくなることがあり、どちらかというと一気に読むには向かない作品だと思います。
コミックスでは加筆がされるそうなので、コミックスでも読み直してみようと思っています。

各陣営のキャラは非常に個性的で、危ない思想を持ったキャラが多いです。
またキャラクターは筋肉質な野郎の割合が圧倒的に多く、濃厚な野郎同士の絡みを楽しめる作品でもあります。
ラッコ鍋の場面などは特に有名ですね。
時にはいがみ合っていた男たちがラッコの熱にあてられ、情熱に任せて取り組みを行うというとんでもない名場面です。
また、ほとんど唯一のヒロインと言えるアシㇼパさんも、アイヌの食文化で美味とされる小動物の脳みそや目玉を杉本に食わせるシーンでドン引きする杉本を恐ろしい表情で見つめるなど、ヒロインというよりも顔芸の印象が強いです。
本作において、ロマンスと言われて思いつくのは野郎同士の絡みですね。

アイヌの文化についても詳しく読むことができます。
その内容は北海道アイヌ協会からも評価されていて、資料や文献の正確さは信頼できると思います。
作中、杉本たちは樺太にわたりますが、日本でもロシアでもない、アイヌという民族目線の樺太が書かれていて、その歴史とも相まって興味深く読めました。
ラストも、現在も続くアイヌ文化を残す活動につながっていくようなきれいな終わり方でした。
大団円ですが、最後は白石が持ってっちゃいましたね。

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