この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.09

110件の評価

3.3

10巻まで読みました

主人公は、高校生「神城卓」。
彼は学園のアイドル的存在である幼なじみの「花園魅香」に想いを寄せています。
ある晩に不思議な出来事が起き、明けた翌朝、卓は魅香を見た途端、抑えきれない殺意を抱いてしまう。
彼女と待ち合わせをしていた学校の屋上で、卓は思わず魅香に襲いかかるが、既のところで思いとどまる。
だが、その際、卓は、人間を超えた力を出していたことに気づき、自身の異常な力と殺意に恐怖を抱き自宅に引きこもることになる。
そんな折、魅香は、教師の「厚見幸樹」に拉致されてしまう。
厚見も卓と同じく、強い殺意の衝動を持っており、それを知った卓は、厚見の元に向かうという展開です。

愛する人をどうしようもなく殺したくなってしまうという衝動を持ってしまった人々の物語で、特に序盤は、愛しているが殺したいと思う感情を抑えるため距離を取ってしまうことへの葛藤や、衝動のままに殺そうとする人々との戦いが描かれます。
その後、愛する人を殺したくなる症状と共に手に入れる特殊能力を用いた大量殺戮が描かれ、罪のない人々が大量に酷たらしく殺されていくサバイバルホラー的な作品にシフトします。
後半では、殺意を持ちながらそれを制御しようとする人々の組織『ルーディメント』と、その敵対組織『CiD』、CiDとつながっている新興宗教団体『えぐま教』などの対立が描かれ、チーム戦の能力者バトルのような展開になります。

絵はキレイで、読みにくいではないのですが、とにかく唐突です。
よく読むとストーリーは結構複雑で、よく練られていると思いますが、その割には展開が早く、殺戮とグロと、キャラクターの異常な思考回路のインパクトが強いので、人によっては内容が無いと感じられる可能性があります。
香ばしさ漂うタイトルですが、このタイトルが気に入った方であれば楽しめる作品だと思います。
作中の(中二っぽさも感じられる気がしますが)異常な雰囲気と、思ったより深いシナリオにはまれるかどうかが賛否を分けるのかなと思いました。

なお、本作は途中でタイトルが変わって、一応、一区切りはつきますが、続編『今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね -last-』に続く形になります。
lastも引き続き読んでいるので、終わり方次第で評価は変わると思いますが、本作時点では私的には微妙な感じでした。

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