ヤング島耕作 主任編

弘兼憲史

3.55

601

発刊:2010.04.23 〜

完結・全4巻

みっちゃんさん、他1人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.55

28件の評価

4.6

4巻まで読みました

主任になり、初めて名刺に肩書きがついた島耕作シリーズ、主任編。
『ヤング島耕作』からタイトルが変わっただけの、引き続きの続編です。
タイトルが『主任島耕作』ではないのは、作中設定によると"主任"は以降の役職と比較すると重みがなく、問題がなければ誰でもなれることからだと思います。
とはいえ、"主任"というポジションに配置され、初めて明確に部下を持った上司となった島耕作の苦悩の日々が綴られるものとなっています。

部下というほど年が離れているわけではない後輩社員と共に、上司の命令の元、業務を遂行していく姿が語られます。
その時々の判断があっているのか悩みながら、時に叱責されながら、また時には上司の行動に感銘を受けながら、社会人として会社人として成長する内容です。
同シリーズの他作品もそうですが、サラリーマンが仕事を追われる毎日が描かれており、リタイアするまで終了しない、終わらない社畜の日常が描かれているため、ある意味では日常系と言えなくもないです。
ただ、仕事とセックスの比重がすこぶる高く"日常系"と呼ぶにはゆるさがまったく感じられないので、こんな世間の荒波に揉まれる日常系は癒やしにならないですね。

本作では結婚のエピソードや、妻の懐妊など、プライベートでの事件も多く登場するのが特徴だと思います。
仕事に追われ、大事なイベントもすっぽかしてしまい、おおっぴらではないものの社内の女性とヤッちゃう島耕作を仕事だからと許容する妻「怜子」は、実は結構聡明で寛容な女性だったんだなと思いました。
課長島耕作スタート時点で夫婦仲は冷え切っていたので、新婚時代は何か新鮮な感じがしました。

また、主任編序盤で、「亀渕雄太郎」という社員が島耕作の下につくのですが、彼のエピソードはネット上でやや有名と思います。
アメリカ経験が長いため、和を重んじず、実績や後ろ盾があるが個人主義な仕事をする彼と島耕作の口論シーンは、現在も物議を醸すものとなっています。
時代背景もあって島耕作の主張は旧態依然な感じもしますが、亀渕のやり方が正しいとも言い切れず、ある程度経験をした社会人に読んでほしい話だと思いました。
あと、終盤のホラー回が普通に怖かったですね。
凄くインパクトがあって不意を突かれました、夜一人で読んでいてゾッとしました。

ラストはお決まりの昇進です。
次回はまたタイトルが代わって、『係長島耕作』に続きます。

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