女の生きかたシリーズ

河井克夫

3.29

140

発刊:2003.03.01 〜

既刊1巻

『女の生きかたシリーズ(1)』巻の書影

女の生きかたシリーズのあらすじストーリー紹介

女心は大きな海のようなものだというのは、穏やかな慈愛も激しい憎悪や嫉妬もすべてひとところに湛えてしまうということ……じゃないですかね? こんなベタベタな文句を持ちだしてしまってどうしよう。ただそれでもたったひとつだけ言える今更な結論は、海は恐ろしいところだということ。本作に描かれているのは皆、すれっからしの女たち。これは、すれっからしの女たちのすれっからしの人生の数々が、決してマイルドとは言えない筆致で綴られた不穏な短編集。作品によってタッチもスタイルも全然異なるのは、漫画家のみならず役者であり音楽家でもあるというマルチタレントな作者ならではの目配せか。明言し難い作風をどうにか言葉で表すならば、「不条理&シュール&ブラック」。いかにも『ガロ』らしい、と言っていいだろうか。オルタナティヴな空気感が通底している。しかし、その「いかにも『ガロ』」な雰囲気なのにも関わらず女たちの恋愛や子育てを主題に据えているところが本作の面白いところでしょう。なんにせよ、「女の生き方のススメ」みたいなハウツーからは百万光年離れた場所にある一冊(教訓を得ることはできるかもしれない)ですから、男性にも女性にも等しくオススメです。 ただ、本編も良いのですが、個人的には巻末に別刷収録された『オートロ』が好きだったりします。初期の貸本劇画のスタイルを踏襲した扉絵をめくると、遭難者の一団が砂漠を彷徨い歩いている。熱と飢えにうなされながら、砂海の真中で一行が発見したものは……。これは、諸星大二郎の漫画で読んだやつだ! しかしもちろんあくまで換骨奪胎、元ネタとはまた異なる方向にひとひねりを加えた結末が。引用的センスをあくまでローファイにエイヤと発揮するあたりにLate 90’S(『オートロは』98年に発表された作品)という季節との共振を感じる。     内容简介 · · · · · · 泣いたりわめいたりもせず、奈落の底一歩手前でゆっくりともがく複雑な女心とふてぶてしいまでの生命力をシリアスに描き、アックス連載時に大好評を博した河井克夫の傑作! ◎帯文/戸川昌子         芸名 河井 克夫 性別 男性 生年月日 1969// 出身地 愛知県 身長 178cm 体重 55kg デビュー年 1995 職種 文化人/タレント・俳優・女優 趣味・特技 ロシア語 プロフィール 漫画家・イラストレーターとして活躍。ギャグの中に一種独特の暗さや不安感を感じさせる作風で、1995年デビュー。情報誌・漫画誌などメジャー、マイナー問わず、様々な媒体で作品を発表する。大人計画主宰の、松尾スズキ氏監督映画『恋の門』『クワイエットルームへようこそ』に出演し俳優としても活動するほか、音楽ユニット「チーム紅卍」を組みDJとして大型フェスに出演し、漫画制作や共書を発表するなど幅広く活躍する。俳優 宮崎吐夢の一連の作品には、イラスト・出演・楽曲提供・演出補などブレーンとして参加する。 デビュー作雑誌『ガロ』 代表作品著書 『ブレーメン』 『女の生き方シリーズ』 『クリスチーナZ』  / イラスト 『金の靴 銀の靴』  / 舞台 『大人計画「自慢★自慢」「愛の罰」』

女の生きかたシリーズの漫画の詳細情報

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