満たされる唇レビュー。
兄弟コンプレックスで地味な受が、とある男のゲームによって荒んでいく話。切ない系の話だと思う。
やまかみさんの作品で初めて読んだのがコレでした。本誌で連載している時に、どんどん変わっていく主人公にギョッとしたのを覚えています。
主人公は、同じ学校に通う優等生の兄が居て、いつも兄と比べられ、似てないと言われた。自分は兄と似ていなくて当然だと、兄信者な弟。
ある日主人公は校内で男同士のラブシーンを目撃しています。
主人公の存在に気付いた男は、見られても全く動じない。主人公を、あの優等生の弟だと知って、兄に依存している主人公を落とせたら楽しそうだってゲーム感覚で主人公に近付く。
その男によって、暗く陰気な容貌をしていた主人公を外見から変え、性格までも変えて行く。男のゲームは順調だった。暗い地味な弟が、兄から離れ、自分の手でイキイキとしていくのが楽しかった。
だけど主人公は男が恋愛感情で自分で近付いたのではなく、兄から引き離すゲームをしていたのだと知ってショックを受けて男から離れる。男の事を忘れる為に、色んな男と関係を持って下半身が乱れまくり。
ゲームだったハズなのに。自分の手で美しく明るくなっていく主人公に、妙な愛しさを感じてしまう男。あれだけ依存していた兄から離れ、自分に懐いてくれた。実は少し、嬉しかった。
だけどゲームだった事がバレて、あれだけ素直だった主人公が荒み誰とでも寝る様になってしまった。男は自分の気持ちに気付いて、動揺した。【This item is excerpted from "http://www.chil-chil.net/top/". 】