こみっくパーティー

犬威赤彦

3.37

98

既刊5巻

『こみっくパーティー(1)』巻の書影
『こみっくパーティー(2)』巻の書影
『こみっくパーティー(3)』巻の書影
『こみっくパーティー(4)』巻の書影
『こみっくパーティー(5)』巻の書影
うにたべたいさんが読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.37

3件の評価

4.4

5巻まで読みました

架空の同人誌即売会「こみっくパーティー」を舞台にした漫画作品。
原作はLeafのエロゲーで、本作はそのコミカライズ作品です。

主人公は美大に落ちて表現の場を失った学生「千堂和樹」。
彼は特にアニメや漫画が好きというわけでもなかったのですが、悪い友人「九品仏大志」に唆され、同人作家の道に引きずり込まれる。
初めて漫画を描いてみて、挫折や経験を積み、いろいろな人に出会い、成長する話となっています。
原作はエロゲーなので、ヒロインは複数おり本来は個別のルートがあるのですが、隠しキャラだった「立川郁美」以外のルート回収は一通り行われており、全5巻と短いながらもうまくまとまっています。
原作を知らなくても楽しめますが、そもそも即売会に行ったことがないという方は、一度参加してみたほうがより臨場感を感じることができると思います。
人の多さ、暑さ、異様さ、臭さを一通り知った上で読むと、漫画からよりリアルに現場の臭さが伝わってきます。
また、同人誌を作ってみたい、同人活動をしてみたいと思わせてくれるようなできになっていて、絵を描くのが好きな人は自分もやってみようという気持ちにさせてくれます。
ちなみに私も、本作に感化されたというわけではないのですが、サークル参加経験があり、参加当日の朝などはまさにこんな感じだったなーと思い出しました。

絵はきれいで、汚いオタクも可愛い女の子も上手です。また、漫画に勢いがあって、読んでいて楽しいできになっています。
なおかつ、原作の雰囲気を壊さないできになっています。原作のゲームもノリと勢いが大事な雰囲気だった気がするので、漫画家と原作の波長があったのかなと思いました。
ヒロインは、非オタの同級生、コスプレイヤー、駆け出しのアイドル声優、壁サークルの女王、中堅の関西弁同人作家などなど、業界ならではのキャラクターとなっており、それぞれの思い、信念、悩みを持っています。
即売会という、やりたいことがストレートにできる、ある意味では夢が叶う場所だからこそ真剣になれる彼らの物語は、希望に満ちて熱いです。

原作プレイ済みの方にももちろんおすすめです。
原作はフラグ立てが結構シビアなので、(18禁要素はないですが)手軽に読み返せる漫画版おすすめです。
なお、序盤で謎の男が登場するのですが、「立川郁美」ルートは無く、自分としては寂しさを感じました。
また、DC版から登場の「御影すばる」は登場します。
DC版を未だ以て未プレイなので、今更ですがDCを起動させてみようかなと思っている所存。

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