朝霧の巫女

宇河弘樹

3.36

313

完結・全9巻

『朝霧の巫女(1)』巻の書影
『朝霧の巫女(2)』巻の書影
『朝霧の巫女(3)』巻の書影
『朝霧の巫女(4)』巻の書影
『朝霧の巫女(5)』巻の書影
『朝霧の巫女(6)』巻の書影
『朝霧の巫女(7)』巻の書影
『朝霧の巫女(8)』巻の書影
『朝霧の巫女(9)』巻の書影
うにたべたいさん、他1人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.36

8件の評価

3.9

9巻まで読みました

ヤングキングアワーズで連載されていた作品。15分2クールでアニメ化もしています。
ただ、アニメ版は、巫女属性を全面に押し出して、美少女巫女グループが悪鬼滅殺にがんばる萌えアニメになっており、原作ファンにすこぶる評判悪いです。
私自身はアニメ版から入っていて、ステレオタイプなダークな雰囲気と戦う女の子たちのイメージでコミックスを読みましたが、内容は全く違っていました。
「そういえばそういう話だったんだろう」 という軽い気持ちでページを捲ったのですが、日本神話や中世の歴史にある程度明るくないと、まず内容の理解が難しいストーリーになっているので、アニメから入った方は注意が必要と思います。

主人公は、天津忠尋という白髪の高校生です。
彼が、母からの連絡により、広島県三好市へ訪れたことから物語が始まります。
彼は、代々、神霊の声を聞き、その身に憑依できる「審神者(さにわ)」の能力を受け継ぐ一族の末裔です。
ひとまず、叔母の家である稗田家を訪れるのですが、そこに天狗の面をつけた男・乱裁が、怪異と共に現れ、忠尋は襲われるのですが、神主の家系である稗田家の巫女の三姉妹に助けられます。
本作のヒロインは、稗田家の次女・柚子で、忠尋の能力を狙う乱裁と、忠尋及び巫女たちの戦いを描いた内容となります。

ただ、ストーリーはそんなに単純ではなく、憑依や変身によって他者に化身、あるいは傀儡として相手に近づき、目的を遂げようとします。
陰陽寮や六波羅探題が存在する世界観で天皇と結びついており、その世界の天皇である日瑠子と忠尋の母である結実が手を打ち続けています。
日瑠子は美少女天皇で、怪異に対応する巫女委員会は原作にも登場しており、途中で転校してくる熊沢菊里など登場人物の美少女率は高いですが、アニメ版とは全然違う超鉄火なストーリーで、理解し切るにはある程度の体力が必要かと思います。
乱裁と菊里の正体、目的に関する過去編はもはや大河ドラマで、歴史的事実を絡めた壮大なストーリー展開にただ驚きました。
これを萌えアニメにしちゃったら、そりゃあ原作ファンは納得しないですね。

奥の深い作品です。
なお、舞台となった広島県三好市には、菊理媛が祭神となっている白山信仰の総本社・白山比咩神社があります。
白山比咩神社の主祭神・白山比咩大神は菊理媛と同一神とされていますが、白山比咩大神と同一神とされた経緯についても不明とのことです。
そもそも菊理媛は、日本書紀の異伝にて一度しか出てきていない謎の神で、その菊理媛と熊沢天皇の名前がつけられた熊沢菊里がキーキャラクターになっていることに、作者のメッセージを感じました。
そういった面と、あと普通にビジュアルがかわいいので菊里が個人的にお気に入りです。

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