秘密

清水玲子

3.86

4597

発刊:2001.12.01 〜

完結・全12巻

agureさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.86

78件の評価

4.6

12巻まで読みました

死体から取り出した脳に特別なスキャナーを通して、故人が見ていた映像を再生する(映像のみ音声は不可)、MRIという操作方法を専門に行っている法医第九研究室、通常「第九」と呼ばれる警察機関を舞台とした作品。
警察組織が操作を行う刑事モノの犯罪捜査作品で、一般操作では特定困難かつ脳が無事という状況から、第九に事件が持ち込まれ、脳に残された情報から犯人や動機、手段の特定を得る、サスペンス漫画となっています。

扱う事件は凄惨極まりますが、絵が綺麗なため、そこまで見た目グロい描写はないです。
臓器が丸出しの死体や、死蝋化死体などもあり、描く人が描けばガチグロになる死体もキレイに描かれているので、その点は人によってはマイナスになるかと思います。

内容は文句なしに面白かったです。
第九でのMRI操作を元に、室長の薪剛警視正と、新人の青木一行警部が中心に事件の全容を解き明かす内容になっているのですが、低身長、童顔、女性顔の男性薪さんと、青木の微妙な距離感がもどかしいというか、腐ってなくても早いところ付き合うなりしてほしいと、そういう話でもないのに願ってしまうのが(勝手に)ポイントだと思います。

被害者が死の直前まで見ていた光景を見ることができれば、犯人特定など簡単かというとそういうわけではなく、絶望的としか表しようのない光景と被害者だけが"見ていた"秘密を見ることになるリスク、そしてその開かれたパンドラの匣は一片の希望も残らないものかもしれないという悲しみを孕んだ作品だと思います。
ラストはハッピーエンドです。
万人受けする作品とは言い難いですが、サスペンスもの好きの方にはおすすめ。

ちなみに、1巻は連載前の読み切り作品が載っていて、MRI捜査による事件を扱っていますが、第九を舞台としない作品になっています。正直、1巻の第1話の内容、よくわからなかったです。
面白くなるのは2巻以降で、第九が舞台になってからだと思います。

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