BANANA FISH 文庫版

吉田秋生

3.88

3566

発刊:1996.12.01 〜

完結・全11巻

『BANANA FISH 文庫版(1)』巻の書影
『BANANA FISH 文庫版(2)』巻の書影
『BANANA FISH 文庫版(3)』巻の書影
『BANANA FISH 文庫版(4)』巻の書影
『BANANA FISH 文庫版(5)』巻の書影
『BANANA FISH 文庫版(6)』巻の書影
『BANANA FISH 文庫版(7)』巻の書影
『BANANA FISH 文庫版(8)』巻の書影
『BANANA FISH 文庫版(9)』巻の書影
『BANANA FISH 文庫版(10)』巻の書影
『BANANA FISH 文庫版(11)』巻の書影
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この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.88

67件の評価

4.8

11巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

ガチで泣ける。
愛の話。愛で溢れてる。



アッシュ。

君の無事な姿が見られないから、ぼくは不安でたまらない。

君は言ったね "おれたちは住む世界が違う" と。

でも ほんとうにそうなのかな。

ぼくたちは肌の色も目の色も
生まれた国もすべて違う。

でも ぼくたちは友達だ。

それで十分なんじゃないのかい?
ほかに何か必要なものがあるの?

ぼくはアメリカに来てほんとによかったと思ってる。
いろんな人に会えた。

そして何より・・・

君という人に会えた 。


君は何度もぼくに聞いたね "おれが恐ろしいか?"と。

でも ぼくは君のことを恐ろしいと思ったことは 一度もないんだ。
初めて会った時から。

それどころか、君はぼくよりずっと傷ついている。
そんな気がして仕方なかった。

おかしいだろう?
君のほうがぼくよりずっと頭もいいし
身体も大きく力も強い。

それなのに ぼくは"君を守らなければ" とずっと思っていた。


"ぼくは何から君を 守りたかったんだろう?"


ぼくは運命から君を守りたかった。
君を連れさり、押し流す運命から。


君はヘミングウェイの小説に出てくる豹の話をしてくれたね。

山の頂で死んだ豹は自分が戻れないことを知っていたにちがいない と。

ぼくは答えた。

君は豹じゃない。運命は変えることができる。


そうだよ、アッシュ。
運命は変えることができるんだ。

君は1人じゃない。
ぼくがそばにいる。


ぼくの魂はいつも君とともにある。

4.5

11巻まで読みました

子供の頃に読んだ記憶があるのですが、内容を全く覚えておらず、近日アニメ化するそうなのでレンタルで読み直してみましたが、子供が読んで理解できるような内容じゃありませんでした。
洋画のギャング映画のような骨太なストーリーです。

1973年 ベトナム戦争。アメリカ兵のグリフィンは突然暴走し、同部隊の兵に銃を乱射し死傷させる。
マックス・ロボはグリフの足を撃って暴走を止める。イカれたグリフィンは「バナナ・フィッシュ」という謎の言葉をつぶやく。
時が変わって、ダウンタウンのストリートキッズのヘッド、アッシュ・リンクスは、コルシカ・マフィアのボス、ゴルツィネの指示で襲われ、瀕死の状態となった男からペンダントを託され、「バナナ・フィッシュ」という言葉を伝えられる。
「バナナ・フィッシュ」は、廃人となったアッシュの兄グリフィンが譫言のように呟く謎の言葉だった。
アッシュは「バナナ・フィッシュ」の秘密について、調査を開始する。

アッシュ・リンクスの「バナナ・フィッシュ」を巡る戦いの物語なのですが、作中様々な勢力、企みを持った人物が利害関係を結び、あるいは敵対し、利用し利用され、場面が休む暇なく切り替わっていくので、気合を入れて読まないと理解が追いつかなくなります。そのハードな世界感が本作の魅力だといえます。
ストーリーは重厚ですが、理解が追いつけばページを捲る手が止まらなくなり、夜更かししてでも読み切ってしまう作品です。

感想を書く上で触れない訳にはいかない部分として、本作は若い女性のレギュラーキャラが皆無で、当たり前のようにゲイが登場します。
登場人物は野郎だらけで、男が男の身体を眺めて発情するのが本作の世界では常識なので、そちらの趣味の方にもうってつけだと思います。
主人公のアッシュは圧倒的なカリスマとIQ180以上の頭脳、そして冷酷な性格と金髪碧眼の並外れて整った容姿を併せ持っているのですが、子供の頃にレイプされ以降男娼として雇われていたという、この作品がベツコミに少女漫画として連載されていたというのが信じられないような過去を持っています。
仲間に囲まれながらも、研ぎ澄まされたナイフのように鈍い光を放って生きてきたアッシュが、取材のためにカメラマン助手としてダウンタウンに訪れた奥村英二と出会うシーンは、本作の本当の物語の始まりだと思います。
奥村英二は本作のもう一人の主人公で、アッシュが唯一心を許せる相手となるのですが、アッシュと英二の関係は友情以上、恋愛以上です。
本作のストーリーは、「バナナ・フィッシュ」よりもこちらのほうがメインだと思いました。ストーリーの骨組は「バナナ・フィッシュ」ですが、本作はアッシュと英二の物語なんだなと。

ラストは衝撃的です。
それがいい意味でなのか、それとも悪い意味でかも含めて、一読をおすすめします。

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