婚約破棄された魔法薬師は炎の騎士に溺愛される～ただ幸せに、なりたかった～（2）

元・魔法薬師がメイド生活スタート!?　全てを奪われ、絶望の淵で川へ転落したクレア。凍てつく流れにのまれ、静かに幕を下ろすはずだったその命に、思いがけず――奇跡が訪れる。「生かされたことに、きっと意味があるはずだよ。」　そう語りかけてくれたのは、海辺で彼女を助けてくれた親子、アンジェラとパット。二人の温かな励ましに支えられ、クレアは「ここで生きる」と決意する。職業斡旋所の紹介を受け、クレアは身分と過去を隠し、「薬師」としてではなく「メイド」として働くことに。その奉公先で出会ったのは、かつて“炎の騎士”と讃えられた寡黙な男・フレデリックだった。過去に傷を抱えた者同士――彼女は再び踏みにじられてしまうのか。それとも、今度こそ、自分の手で未来を掴めるのか。幾度も裏切られ、それでも諦めなかった彼女は、少しずつ「本当の居場所」へと歩み始める。これは、誰にも愛されなかった魔法薬師が、ようやく自分の価値を信じられるようになる物語。