【これは、彼らの罪と罰。】闇を抱えた神父×人生に絶望した男好き…あなたの心を楽にしたい…何があっても君の味方だ。「私はあなたに左の頬を差し出しましょう。」ーー15年前、冤罪で逮捕された秋鷹(あきたか)。自分に罪を着せた真犯人が心を許していた木場(きば)だったと、秋鷹は絶望する。しかし、嘆き怒り追い詰められた秋鷹は木場と出会った意味を、自分がここに遣わされた意図を朝日の中で見出すのだった。木場を赦し、受け入れることを決めた秋鷹。彼の瞳に見えたのは、この悲しい人間を救わなければならないという使命。それとも或いは共に堕ちる地獄かもしれない。この感情は慈悲なのか、愛なのか、2人の新しい生活が始まるーー。狂おしくて切ない愛の物語。表題作他、セックスにトラウマを抱えた売れっ子役者を描く短編『仮面のなかみ』も収録。