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タツノコッソ
3.86
3192
新刊通知
発刊:2019.09.27 〜
完結・全4巻
22件の評価
さとう
4.8
このレビューにはネタバレを含みます。
社畜OLと女子高生の奇妙な同居生活を描いた4コマ作品。「社畜さん」ことナルさん(成瀬胡桃、2X歳)は元学校教師で今は会社勤めの社畜。「家出少女」ことユキちゃん(雪村つぐみ、15歳)はナルちゃんの家に居候している女子高生。親戚でも恋人同士でもない二人が同居生活を送っている背景には色々と複雑な事情がありそうだが1巻ではその辺りの事情はあまり語られず、二人の日常のやり取りを中心に話が展開していくものの、ラストではなるちゃんが(ユキちゃんに心配をかけまいと)隠していた親からの手紙をユキちゃんが発見する。この手紙、「私の娘を返しなさい」という短い文章ながら「「私たち」でなく「私」」とある事からユキちゃんの親の片方からの手紙であること、親はユキちゃんがナルちゃんのもとに居る事を把握しているが許してはいないことなど多くの情報が読み取れるなど、今後の展開が気になるとても上手な引きなので2巻の発売が待ち遠しい。
岩崎いずみ
5.0
絶賛社畜中なナルさんと絶賛家出中なユキちゃんの共同生活を中心に描いた4コマ作品。ゆるくてあったかで、笑えるところもあればせつないところもある…という絶妙な甘さと苦さのバランス加減が読んでいて素晴らしいなと思いました。ナルさんのボケ(社畜あるあるなネタも含め)と、ユキちゃんのツッコミのやり取りも面白く、またユキちゃんの友達であるミユちゃんの介入も良いなと思いました。今後の展開も、2人の生活にどう変化が現れるのかというのも含め、期待して見守りたいと思います。
シャル
タイトルそのままに社畜のナルさんと、家で少女のユキちゃんのちょっと不思議な同居生活を描いたストーリー。日々社畜として頑張るナルさんを出迎えるユキちゃんの姿や言葉には家に誰かが居てくれる安心感を感じますね。ゆるふわな作画でありながらも、毎日の辛さから夜中に涙を流すナルさんの描写は現実社会のリアリティを感じられてひきつけられるものがありました。家出少女と聞くとやや危ない印象を持たれてしまいますが、二人は全く知らない関係というわけではなく、過去にも意外なつながりがあるところもよく考えられた設定で面白いです。この不思議な二人の関係がどう展開していくのか、読んでいくうちにどんどん気になっていく作品だと思います。
秦俊
「社畜」と「家出少女」という、簡単にシリアスにできるものが暗くなりすぎずに描かれている。作品冒頭に出てくる「とかくに人の世界は住みにくい」という言葉から、1巻の中でも暗い展開を期待していた部分があった。しかし、この作品の登場人物、特にナルさんはとにかく前向きに生きていると感じられる。いわゆるブラック気質の会社で働いているナルさんだが、作品の中で愚痴や泣き言を漏らす場面はあるものの、物事を後ろ向きに考えている場面はほとんど見られないのである。この設定の中、シリアスにならず、物語が非常に明るく進んでいるのはその部分が強いのではないだろうか。また、4コマ漫画として、ひとつの4コマでひとつの起承転結ができている。けっしてストーリーとしての流れは壊さず、しかし4コマの中にも小さなストーリーができている。4コマとして非常に完成度が高い作品になっていると、私は感じた。この作品を読むにあたり、是非とも読んでほしい部分が1話目の最後である。コマ割り、演出、吹き出しの使い方…全てにおいて、優れている。また、ナルさんとユキちゃんの生活の不安定さを暗示しているようにも感じられる。この場面でも登場する「とかくに人の世界は住みにくい」という言葉。演出と相まり、この1ページだけで、今の世の中の生きづらさが表れているのではないだろうか。1巻の最後の話は、ナルさんとユキちゃんの行く末がいかに脆く、不安定なものなのかを感じさせる。この話を読んで、続きが気にならない人間は少ないだろう。今後の展開も含めて、非常に楽しみな作品である。
ノーン
社会人あるあるで共感したり甘々同棲エピソードまでと読んでて飽きませんこれからの2人の関係性に目が離せない!
cjeje
3.6
全体的に無難に面白かったです。4コマ漫画を好きなら読んで見事だったようです。
Rnwndh
4.0
とても興味深い素材で面白いです。4コマ漫画を好きだったらお勧めします。
ゆのは
「社畜」「家出少女」という重そうなワードからは予想もつかないほどの癒やしと笑いが詰まった作品。OLのナルさんと家出女子校生のユキちゃんのゆったりまったり共同生活は忙しい現代社会のオアシスのよう。疲れた現代人にささるエピソードも満載で、一緒にご飯を食べて隣同士で就寝したり、雨の日に傘を持って迎えに来てもらったり、一緒に銭湯に行ったり、そばに誰かがいてくれることの幸せや温かさが本当に身にしみます。
ギヨタン
4.5
内容はタイトル通りですね。ブラックな労働環境で働くOLの自宅に、家出したワケあり女子高生が居候するストーリーです。 可愛らしい絵柄、百合展開、年上なのに疲れから少々(?)だらしがない社畜さんこと“ナルさん”と、年下なのにしっかり者で家事万能な家出少女こと“ユキちゃん”の関係性など、きらら作品らしい萌え要素満載ですが、この作品はそれだけではありません。ナルさんはユキちゃんがいるからこそキツイ仕事でも頑張ることができるし、ユキちゃんはナルさんの優しさに守られているからこそ笑顔で穏やかに過ごすことができる。厳しい現代社会の中、2人の女性が互いに支え合って生きて行く姿を描く――そんな重いテーマも含んだ内容となっています。 気になるのはユキちゃんの家出の理由ですね。第1話の時点で既に同居した状態から始まっており、「何故2人が一緒に暮らすことになったのか?」という部分がまだ明かされていません。断片的な情報だけですね。そして1巻巻末では、これから2人を引き裂く様なシリアス展開が待っていることが示唆されています。 決して暗い作品ではなく、大半のシーンが可愛い女の子たちの幸せな日常です。しかし、その日常がいつ壊れてもおかしくない危ういバランスの上に成り立っていることがずっと片隅に残っていて、不思議な魅力を放っています。非常に続きが気になる作品ですね。
カミムラ
家にいる時はお酒を飲んでばかりのダメ人間の社畜のナルさん。ナルさんが好きだけど素直に好意を表現できないクーデレな家出少女のユキちゃん。そんな2人を時にコミカルに、時にはシリアスに、現代社会に生きる辛さを適度に交えて表現しているオレンジピールのチョコレートのようなほろ苦く甘い作品です。「社畜」と「家出少女」、世間の荒波に揉まれて辛い思いをしている「大人の女性」と「年端もいかない少女」が肩を寄せ合って生きている儚さが胸に刺さります。ナルさんは家ではユキちゃんに甘えてお酒ばかり飲んでるダメ人間っぽく見えてしまいますが、ユキちゃんの見えないところでは立派に大人としての責務を果たしているところがギャップ萌えです。ユキちゃんはナルさんの事が好きで信頼している一方、時にはツンとした冷たい態度を取ってしまう事もあります。ゲラゲラと笑える作品ではないかもしれません。ただ、タツノコッソ先生の稀有なギャグセンスにクスリと笑ってしまう事は請け合いです。キャラクターがかわいくて魅力的なのはもちろんですが、ストーリーもよく練られていて歯ごたえがしっかりあって、単なる萌え漫画ではありません。いわゆるあるある物の一種かもしれません。「毎晩遅くまで仕事をして頑張っている」「家族と上手くいってない」「毎日生きるのが辛い」そんな人に読んでもらいたい作品です。きらら作品特有のゆるふわっとしたテイストにビターなショコラを添えた一品、是非ご賞味ください。
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