マンガ好きが選ぶ読書記録サービス
魚豊
3.94
3862
発刊:2019.06.07 〜
完結・全5巻
俺はトガシ。生まれつき足が速かった。だから、100m走は全国1位だった。「友達」も「居場所」も、“それ”で手に入れた。しかし小6の秋、初めて敗北の恐怖を知った。そして同時に味わった。本気の高揚と昂奮を──。100mの全力疾走。時間にすれば十数秒。だがそこには、人生全てを懸けるだけの“熱”があった。
172件の評価
鈴木
5.0
"たいていの問題は 100mだけ誰よりも速ければ 全部解決する"小学生~高校生~企業所属の社会人選手まで主人公トガシの人生を追う、100m走を巡るクロニクル。ラフだけど力のある絵柄と、裏腹にトリッキーなマンガ表現。その裏腹な要素が生む摩擦がそのまま作品に熱をあたえるような。焦燥感に駆られるように描かれている、全部が綺麗に表現できるようになってからじゃ遅いんだ、と感じさせるような疾走感が作品全体から迸っている。登場人物たちの誰もが、どこかネガティヴなものを抱えているのがいい。ライバル役の小宮が、小学生時代のトガシとの出会いのシーンでこんなことを言う。"気が…紛れるから現実より辛いことをすると 現実がぼやける"あるいは高校編での廃部寸前の陸上部員・浅草さんのセリフ。""嫌"っていうのは頑張る動機になるじゃん馬鹿にされてるからこそ得られる活力があるじゃん"それが走る理由。この作品は、そういう後ろ向きさに充ちていると思う。追われることの恐怖。自分への失望。無力感。諦念。挫折。孤独。誰もがそういう不全感を…それもまったく無視できないほど大きな不全感を…抱えてはいるけれども、しかし、それでも自分には「走ること」しかないのを、心の奥では分かっている。"『衰えた』とか『才能ない』とか悟った時 普通 誰だって挫折しますでも1つ忠告しておきます1位を獲ったら もうそんな理由じゃ挫折できない""不安とは 君自身が君を試すときの感情だ""トガシくんが決心したのに 平子先生が協力したのに 部長が戻って来たのに僕は"これ"かよやっぱり僕はダメなんだ 僕は無力なのか…こんな自分が嫌になるでもッでも本当は!自分を嫌おうとしてる自分がっ!一番ッ!嫌いなんだよ!!"そういう後ろ向きなもろもろ、葛藤が、10秒間の中に凝縮され、昇華される。そこですべて報われる。私は超音速偵察機のブラックバードのことを思うと泣けてしまうときがある。存在自体の一途で純粋なあり方、ある機能のためだけに全てがあって、そうとしか在れない、ということ。それと同じものを本作に対しても感じた。"僕らは一体 何のために走ってるんだ?そんなの当然 真剣(ガチ)になる為"憧憬を抱く。生きることはこういうことであってほしいと、願いすらする。傑作。"私さ みんなが思ってるより速いよ"
マ
3.7
アツい。執念と情熱がびしびし伝わってきてくらくらする。最終回後数多の編集者からお誘いが来たってのも納得する、才能の原石。
吉野家ねぎ玉牛丼特盛
4.2
購入
のぶ
kamo1205
たこ
2019年9月9日:本日発売のコミック新刊
2019年8月9日:本日発売のコミック新刊
2019年7月9日:本日発売のコミック新刊
漫画を探す
話題のニュース