ちびしかくちゃん

さくらももこ

3.00

713

発刊:2017.09.25 〜

完結・全2巻

『ちびしかくちゃん(1)』巻の書影
『ちびしかくちゃん(2)』巻の書影
うにたべたいさんが読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.00

11件の評価

4.1

2巻まで読みました

さくらももこご乱心の『ちびまる子ちゃん』セルフパロディマンガ。
『ちびまる子ちゃん』っぽいキャラクターが登場しますが、内容は全く違うブラックコメディです。

主人公の「ざくろしか子」は、ドジでおっちょこちょいな小学3年生です。
友達の「だまちゃん」は、人の不幸を喜ぶという最悪の性格をしていて、よくしかこを陥れます。
基本的にしかこに仲間はおらず、祖父の友象もしか子に厳しく、祖母もよく怒鳴ります。
理不尽な日々に苛まれ、口癖のように謝罪するしか子の、おどおどとした日々が描かれています。

『ちびまる子ちゃん』では、調子にのったまる子が余計なことをして、自業自得でオチがつくことが多いですが、しか子の場合、彼女自身に落ち度がほとんどないにも関わらず、嫌な目にあって終わります。
例えば、給食のプリンが足りないことが発生し、なぜかしか子のせいということになってしまいます。
濡れ衣で同級生に責められるしか子ですが、その日の夕方、母がうっかり姉のプリンを食べてしまいます。
それをごまかすために、それもしか子に押し付けて終わるという、とにかく酷いだけのストーリーが延々と続きます。
全く救いがない、さくらももこのブッラクなところがフルオープンされた、怒りと苦しみに満ちた作品です。
ちびまる子ちゃんが好きな方は、絶対に読んではいけないですね。

そんなろくでもないマンガですが、謎の中毒性があります。
普通に考えて笑えるものではない"いじめの現場"のような内容なのですが、勢いが激しく、怒涛の理不尽に逆に笑うしかないという気持ちになります。
登場人物は全員がとんでもない毒舌でやたらと沸点が低く、そんな人々に比較的善良なしか子が翻弄されるという地獄のような日常系です。
楽しんではいけないと思いつつ、酷い酷いと言いながらそこそこ楽しんで読んでしまいました。

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