著者初の週刊連載作品「ロマンス暴風域」(週刊SPA!にて連載中)が待望の単行本化! 高校の臨時教員であるサトミンは、講師の契約期限は迫り学生時代に付き合った彼女と別れて以降独り身が続いている。しかも婚活では非正規職であることを理由に相手にされず、恋愛に対して自信を喪失中。しかし、気分転換に行った風俗で出会ったせりかに、お金や肩書など関係ない“運命の出会い"を感じる。客と風俗嬢の関係からスタートした2人の仲は接近していき……。 肩書、年齢、男性であること――。目を背けることのできない現実に惑う主人公が求める、真実の愛とはなにか。“恋愛弱者のロマンス"ここに開幕!
3.40
985
発刊: ~
完結・全1巻
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a3.42
929
発刊: 1997.07.01 ~
完結・全1巻
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a「あたしのこと、もっと好きになってよ!」主人公・夕張ゆうこはまじめなOL。好きな男ユタカにすすめられてホステスのバイトを始めるが、ずるずるとひきずられた生活をしていく…。リアルで切ない恋を描かせたら天下一品!著者初めての長編!
3.81
880
発刊: 1998.03.01 ~
通常版・他1作品
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a現代日本に転生した異星人としての前世の記憶を持つ7人の男女を中心とするSF漫画。
3.42
841
発刊: 2020.07.13 ~
完結・全4巻
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a東京在住男女のイロイロ人間模様…「38歳バツイチ独身女がティンダーをやってみた結果日記」で話題の松本千秋が描く素直になれない大人達のショートオムニバスコミック!
3.33
799
発刊: 2002.04.10 ~
通常版・他1作品
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a「さみしい女には小さな夢がある」。この物語の主役格である島ショーコもそんなさみしい女たちの1人だ。マンガ家志望ではあるものの、なかなかパッとせず、学生時代からの親友であった女性アキラもさっさと結婚してしまい、置いてけぼりを食らったような気持ちで毎日を生きている。そんなショーコをメインに据えて彼女に関わった人々の物語を、約300ページのボリュームで一挙に描き下ろしたのがこの単行本だ。 <p> 全7話の物語は、第1話「10年位前」から始まり、第2話「12~10年位前」に戻り、また第3話「9年位前」へと進むといった具合で、時系列を前後しながら進む。読み進むにつれて「なるほど、さっきの話はここから発展した結果なのだな」いう具合に、因果関係が明瞭になりパッと目の前が開けてくるような構成になっている。 <p> その全7話の中で取り分け鮮烈な印象を残すのが、ショーコと親友アキラの関係。バカもやるけど呼吸ピッタリな2人の様子はキラキラ眩(まぶ)しく映る。また、ショーコが洋服工場に勤めていたころの同僚で天然ボケ系の女マリエのふらふらした生き様と、イジめられ引きこもっている最中にマリエと出会って彼女と一緒に暮らすようになった少年ケンジのエピソードも人生の機微を感じさせる。それらの各登場人物の物語が相前後して語られていき、すべての要素が静かに美しく収束していく最終話を読むと、なんともいえない万感の想いがこみ上げてきて幸せな気持ちでいっぱいになる。 <p> この計算された巧みな構成は、単行本描き下ろしという制作スタイルの賜(たまもの)といえるだろう。描き下ろし単行本は、マンガ界では多く見られるものではないが、「ハッピーエンド」はそのような制作スタイルの可能性をも感じさせる。最初から最後まで無駄なく隅々まで楽しめる本書は、内容や装丁などの外見も含めて「1冊の本」としてそのありようがとても美しい。(芝田隆広)
3.27
654
発刊: 2007.07.25 ~
完結・全1巻
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aピアッシングや刺青などの身体改造を題材に、現代の若者の心に潜む不気味な影と深い悲しみを、大胆な筆致で捉えた問題作である。埋め込んだピアスのサイズを大きくしていきながら、徐々に舌を裂いていくスプリットタン、背中一面に施される刺青、SM的なセックスシーン。迫力に満ちた描写の一方で、それを他人ごとのように冷めた視線で眺めている主人公の姿が印象的だ。第130回芥川賞受賞作品。 <p> 顔面にピアスを刺し、龍の刺青を入れたパンク男、アマと知り合った19歳のルイ。アマの二股の舌に興味を抱いたルイは、シバという男の店で、躊躇(ちゅうちょ)なく自分の舌にもピアスを入れる。それを期に、何かに押されるかのように身体改造へとのめり込み、シバとも関係を持つルイ。たが、過去にアマが殴り倒したチンピラの死亡記事を見つけたことで、ルイは言いようのない不安に襲われはじめる。 <p> 本書を読み進めるのは、ある意味、苦痛を伴う行為だ。身体改造という自虐的な行動を通じて、肉体の痛み、ひいては精神の痛みを喚起させる筆力に、読み手は圧倒されるに違いない。自らの血を流すことを忌避し、それゆえに他者の痛みに対する想像力を欠落しつつある現代社会において、本書の果たす文学的役割は、特筆に価するものといえよう。弱冠20歳での芥川賞受賞、若者の過激な生態や風俗といった派手な要素に目を奪われがちではあるが、「未来にも、刺青にも、スプリットタンにも、意味なんてない」と言い切るルイの言葉から垣間見えるのは、真正面から文学と向き合おうとする真摯なまでの著者の姿である。(中島正敏)