翼を持つ住人が住むトリマニア共和国に留学に来たあかりと住人たちの日常コメディ系漫画。 基本はコメディで進んでいき、そのギャグが何とも言えないニヤケを読者に渡してくれる。特にカラスの紙芝居回は毎回神すぎる。嫌と言えない優しいカラスの性格も素敵。 コメディだけじゃなくて、ちゃんと人間の黒い部分とかやるせなさとか恋愛の切なさとか忘れたくないこととかをしっかり丁寧に描いてる。だからいつも読むたびに胸にキュッとなるものが押し寄せる。 特に、元彼が忘れられないあかりに思いを寄せるハトの切なさは見てるこっちが苦しくなる。そして。マローネとカモメとカラスの幼馴染み三角関係も切ない。それぞれが受け入れてあげられない思いや届かない思いを抱えていて、それに気付かぬふりをしてしまう…大人だから闇雲に好きだとか付き合ってだとか言えない、そんなもどかしさとかもひしひし伝わってきて切ない。 ひとりひとり?一羽一羽?とにかく個性が光っているので、読めば全員を好きになって、全員を応援したくなること間違いなし。
by れとれとさん (961)その気持ちは、恨みか、恋か。 十二支の名を冠する長たちが治める土地、十二町。人間と妖怪が共存するその町で、子家頭首・子国恭一の元に、子の家を恨む猫の妖怪が現れる。恭一の命を狙う、恨みにまみれた恨み猫。だがその妖怪は、極度に人見知りな女の子・猫ヶ崎夏歩でもあって…。「好奇心、猫をも殺す。」のことわざとおり、その気持ちは猫を殺すのか――。ポップで怪異な青春ストーリー
人と妖怪が共存する町・十二町が舞台。 十二町は十二支と同じ子から亥までの文字が入った12の一族が、町を12の地区に分割して管理を行っており、また、各家の当主は土地神より異能の力を与えられていて、行使できます。 主人公は子国家の当主「子国恭一」です。 過去に起きたとある事件により、当主でありながら力を剥奪され、周囲より "なりそこないの当主" 呼ばわりされている恭一は、ある日、子国家に恨みを持つ恨み猫「猫ヶ崎夏歩」に命を狙われる。 夏歩に、恨みは自分一人にぶつけるように言った恭一に興味を持った夏歩は、恭一と一緒に過ごすうちに、少しづつ打ち解けてゆく。 ガンガンJOKER連載の恋愛兼バトルマンガ。 絵が全体的にとてもかわいらしい一方で、本格的なバトルの描写があり、両面で楽しめる作品となっています。 十二支をモチーフとした一族の当主は能力の制限より基本的に若い男女が制定されるという設定で、個性的なかわいい女の子がたくさんでてくるので、それだけで満足ですね。 家同士のいざこざだったり、過去からの因縁だったりで展開されるストーリーとなっていて、ストーリーの展開のさせ方がうまいと思いました。 ただ、序盤はストーリーが薄く、何が起きてこうなったのかが分からなくなることが多々ありました。 絵はかわいいのですが、線画細く、読み手の中でキャラが固定されないままサラサラと読んでいくと、気がついたらストーリーが追えていないということが起こりうるので、注意が必要ですね。 中盤からラストまでは作者も描き方がこなれてきたのか、だいぶ読みやすくなります ラストはすごく良かった。 十二町の人々のエピローグと共に、恭一と夏歩の2人の関係が収まるところに収まった、キレイな終わり方です。 同じ作者の次回作も読んでみたいです。
by うにたべたい (528)大学生・花菱薫のもとに現れた美少女・桜庭葵は、何と自分の許婚だった。薫は葵の申し出に戸惑うが、葵の要求をすぐには受け入れられない事情があった──。
財閥の次期当主として祖父より虐待に近い厳しい教育を受けて育ったが、母の形見を焼かれ家を飛び出し、現在、平凡な大学生として日々を送っている「花菱薫」。 ある日、彼の元に1人の女性が訪ねてくる。 彼女は、幼少の砌に婚約者として紹介されていた大手デパートの跡取り娘「桜庭葵」だった。 もう家には戻らない決心をしていた薫と、親同士の約束とはいえ心は既に薫に決めていた葵の恋愛ドラマ。 背骨となるのはお家騒動、跡取り問題ですが、様々な女の子が薫の元に集まって、右から左から薫を取り合うハーレムものの展開をします。 ただ、ストーリー的にも最終的にくっつくのは序盤から葵だということは決定づけられているので、一方通行な想いを寄せるサブヒロイン達にはちょっと可哀想な感じがします。 これがギャルゲーならサブヒロインエンドもあったのでしょうけど。 飛び出した実家との関係、葵との関係の精算がメインですが、全体的にその本筋の話の割合は大きくなく、内容のほとんどは薫ハーレム軍団が旅行に行ったり買い物に行ったりして、無駄にイチャイチャする場面です。 ストーリーを楽しむというよりかは、薫とハーレムメンバーの日常を読んでほっこりするような内容だと思います。 なお、本作が流行っていたのは2000年初め頃なので、今となっては絵も古い感じを受けますね。 当時は、おしとやかなのにグラマーな葵ちゃんを理想の妻の姿として投影する野郎がたくさんいました。 今読むと、久々にあった時は葵のことを忘れていた薫がいつの間にか葵一筋みたいになっていたり、ティナの騒動に比較すると薫の祖父の話が軽くて短すぎる感じがあったり色々気になるところがありますが、アニメは観ていたので、今読むと非常に懐かしさを感じました。 当時を懐古するためにであれば、読むのはありかと思います。
by うにたべたい (528)メガヒット4コマ「けいおん!」の梓・憂・純たち在校生側のその後の軽音部ライフを描いた続編が登場!梓部長のもと憂、純が加入したけどまだ人数が足りない軽音部。まずは新入部員獲得から!?梓部長、やってやるです!
放課後ティータイムメンバー卒業後の次世代の桜が丘高校軽音部を描いた短編。 同時期に連載していた大学編と同じく全1巻完結です。 メインキャラは、中野梓と、唯の妹・平沢憂、梓の友人・鈴木純、それに新キャラとして、新入生の斉藤菫、奥田直が加わります。 けいおん続編ですが、進学した放課後ティータイムのメンバーは登場しません。 けいおんファンは御存知の通り、憂と純は梓の同級生ですが元々軽音部ではなく、楽器演奏は一年生です。 実質、楽器演奏がある程度できるのがあずにゃんのみというスタートで、ドラえもん的ポジションだった琴吹紬も不在という、結構厳しいスタートとなります。 ただ、新キャラの斉藤菫が特殊キャラで、前作同様に音楽室でお茶会をするまったりけいおん部の伝統が守られる続編でした。 梓、憂、純という、けいおん本編連載時からの人気キャラが主役級に格上げされ、新キャラも、特に菫がいいキャラで、読んでいて楽しかったです。 大学編は新キャラが微妙でしたが、こちらはけいおんの続編として普通に良く、全1巻ではなく長期連載して欲しいと思いました。 大学編は賛否ありますが、こちらは続編としてアニメ化していたら人気出たと思います。 個人的に純ちゃんファンなので、生意気純ちゃんやジト目純ちゃんが見れて大満足でした。 少なからずいるあずにゃんや憂ちゃんのファンも、読んで損はないと思います。 大学編と違い、ラストもキレイに終わります。 でもやはり主人公が3年生スタートというのが痛いところですね。 梓、憂、純のトリオのバンド活動はもう少し長く見ていたかったのですが、そこだけは残念です。
by うにたべたい (528)