清野とおるさんの作品の書影

清野とおる

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133

3.8

2巻まで読みました

不条理系マンガ家の清野とおる氏によるエッセイ漫画。
タイトル通り、清野とおる氏が在住している東京都北区にある赤羽を舞台にしていて、そこの珍スポットや変わった人々が題材となっています。

個人的には、赤羽手前の東十条や王子ならまだ行く機会があるのですが、赤羽は滅多に降りないです。
多分、マンホールカードを取りに行った1回しか降りたことないと思います。
特に観光地というわけでもなく、赤羽や赤羽周辺に住んでいる方でもないと、降りることないんじゃないかなと思います。
私、個人でいうと、よく知らない街であり、正直なところ、"都内だし名前知っているくらいだから普通に都会"くらいのイメージです。
しいて言えば赤羽霊園が有名かなぁくらいで、コミック何冊も出すほどのなにかあるのかしらんと思ったのですが、本書を読むと、赤羽の闇、赤羽の底知れなさ、深淵を覗き込むことができました。
魑魅魍魎の巣食う街、それが赤羽でした。

と書くと極端なのですが、清野とおるの筆を通した赤羽はまさにそんな感じになってます。
変な店、変な人、変な場所、でも、人と人とが繋がっていて、みんな楽しく過ごしている、温かくてステキな街・赤羽の魅力を描いた作品です。
徘徊癖、尾行癖のある清野とおるの趣味に合致していて、個人経営の飲み屋や、一人では入りづらいお店にも突撃して混ざることができるスキルはさすがだと思いました。
特に、作中に度々、赤羽界隈に現れるベイティさんという謎の女性との交流が描かれます。
マンガで読んでると微笑ましいのですが、多分、傍から見ると結構近寄りがたい感じなのではと思いました。
また、これらが100%創作ではなく、ベイティさんや飲み屋の店長などの写真や、状況によってはテレビや新聞の記事の写真も貼り付けてあるのも興味深かったです。
赤羽の自由の女神や七福神、かつてあったUFO騒ぎや猿の出没、大火事など、本作で読んだ上で調べてみるとおもしろいです。
知識をつけた上で、赤羽を歩き回ってみたいと思いました。

ちなみに、赤羽で得られるマンホールカードのデザインは清野とおる氏によるもので、これが結構アレなデザインになっています。
このマンホールも、新たな赤羽の変な場所としてカウントされるのなんだろうなと思います。

東京都北区赤羽

レビュー(12)件

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