両親の復縁で四年ぶりに一歳下の弟・轟と再会した高2の更。しかし彼は、気性の荒い「男」となっていた。戸惑う更を射抜く轟の視線、その意味は?
成蹊学院付属菫寮──その名の如く、清らかなる少女達の生活の場──親の転勤により高校2年生から寮生になったエイミ。年代物の女子寮に驚いた矢先、さらに驚くべき“任務”が待っていた! 新入寮生歓迎の裏儀式として、「男子寮に潜入してネームプレートを取ってくる」という特命を受けたエイミは…!?
ピアノ教室に通い始めて5年になる、16歳の小川加恵。ピアノ教室の五嶋先生に恋心を抱きつつも、いつもクールな先生に子供扱いされてばかり。ピアノのレッスンを通して少しずつ成長する二人の恋は…!?文庫用描き下ろしおまけまんがも収録。
「ピアノ講師と、女子高生の生徒」の二人の関係を描いた作品。 ヒロイン「小川カエ」は小学五年生からそのピアノ教室に通っていて、活発でどちらかというとピアノを弾くのは苦手なタイプだったのですが、講師の「五嶋」先生に密かに憧れていたため5年間も続けることができていた。 クールで意地の悪い五嶋は、彼女の成長に戸惑いを覚えつつも、自分の内の感情を父性とごまかしていた。 そんな中、カエは五嶋のシャツを掴んで無理やりキスをする。 もう子供扱いさせないという宣戦布告ともとれるキスをする、そこまでで第一話。 以降、小さな恋の鞘当てが行われつつも、五嶋とカエのアダルトな恋愛ドラマが繰り広げられる内容になっています。 カップルがやるような、いちゃついたり、街を食べ歩きながらデートするようなシーンは本作中はなく、等身大の高校生が主役の少女漫画よりも背伸びした内容となっています。 女子高生が主役の少女漫画には珍しく学校行事系 (文化祭、修学旅行など) のイベントもありません。 キスシーンはもちろん、タバコに火をつける仕草、リップをつける仕草などが艶っぽく、魅せられる作品だと感じました。 ピアノが本作品のキーアイテムとなっていて、読むとクラシックを聴きたくなるというよりも、ピアノを弾きたくなる作品です。というかなりました。練習中です。 難曲であっても五嶋は何気に弾きこなすので、音が聞こえるような作品というわけではなく、ピアノってなんてセクシーでカッコいいんだろうと思わせてくれる作品です。こんなふうにピアノを弾いてみたいと思わせるというか。 今ピアノを習っている人、弾いている人にはおすすめの作品です。 ただ、妙にオシャレというか、意識の高い系の作品なので、コーヒーと言えばスタバのフラペチーノなティーンにはちょっと疲れる作品かもしれません。 ちなみに私は限定のフラペチーノにセルフのハチミツやらシナモンやらシロップやらドバドバ入れて2倍量くらいにするのが好きな、意識の高低でいうと意識失っている系なので、本作は何も考えずに楽しめました。 五嶋は超人のように敵なしで、カエも他の男性の誘いは雑音としてしか捉えられない一途なキャラで、裏を返せば波乱が起こりづらい淡々としたストーリーとなっています。それなのに、不思議とおもしろく読めました。独特な雰囲気のある作品だと思います。 マツモトトモ作品は本作しか読んだことないのですが、他作品も読んでみたいと思います。
by うにたべたい (525)