夏生恒

病院の清掃スタッフをしている美津（よしつ）カナは、 視察で訪れたという若き王族と目が合う。するとそのまま抱きかかえられて、さらわれて――…。目を覚ませば、そこは砂漠に囲まれた異国・ハサラファーザ。香料の香る部屋で、侍女にきれいに身づくろいされたカナを、さらった男・アルドはなぜか懐かしげに見つめる。どうしてと問う答えはキスで返され、カナは昼も夜も熱く体をむさぼられて、溶けてしまう――。逞しい腕にさらわれて口説かれる、灼熱のロマンスラブ。

【この作品は同タイトルの単行本版です】ある日、美鞠が目を覚ますと、大きな豪華客船の一室で見知らぬ男に抱かれていた。「君をオレのものにすると決めた」美鞠の婚約者である北欧の伯爵・マーク。その弟のアラブの王族・ムスタファと彼は名乗る。愛するマークへの純潔を貫くため美鞠は抵抗するが、ムスタファは媚薬を口移しで注いできて…美鞠はマークと運命的な出会いを経て、相思相愛になった。しかし、自分はマークを裏切ってしまった。とにかく船から逃げ出そうとして、海に落ちてしまう美鞠。しかし、そんな彼女を、身を挺して救ったのはムスタファで…！？

【同タイトルの単行本版です。】「お願い、そんなにやさしくしないで」愛おしむような口づけも、大切に可愛がるようなゆっくりした腰使いも。彼がしてくれることのすべてが、私の心をひどく甘く、そして苦しいほど痛めつける――。幼なじみの史貴（ふみたか）を守るため、極道の愛人として悲愴な人生を生きる紅（あかね）。おぞましい組長に穢され、彼の命令で政治家たちをベッドの上で接待し、日々死にたいと願いながらも、生き別れた史貴の無事を想えば心が慰められていた。ところがある日、ずっと想いつづけてきた史貴が紅をとうとう取り戻しにきて……。運命に引き裂かれていたふたりは、互いのからだを貪りながら淫らな情愛に満ちたひとときの逢瀬をかわす――。

異国の砂漠の王子様×ワケありシングルマザーのせつない再開恋愛――5年前にふとしたキッカケで出会い、風のように去って行ったバド王子……。今また目の前に現れ、娘と一緒にわたしをさらっていくあなた。もう離れないようずっと抱きしめて……。