桜木紫乃

「男の色気」が凄まじい。
貧しい崖下の長屋で蔑まれながら育った、6本の指を持つよるべない男。彼が行く先々で出会う女たちの数だけ紡がれる、官能的で不思議なドラマの数々。

女であることの苦悩と情念とが彼の手によって解放され、希望へつながってゆく。この作家の描く濡れ場はエロさと品の良さが両立していて、もはや熟練の職人芸。

桜木紫乃の名作をもんでんあきこがコミカライズ。
「6本指の男」を彼に抱かれた女達の証言で追っていく話。断片的な情報が組み合わさって1人の男の人物像に迫っていく感じがとても面白い。