葛目迅

野畑七瀬は売れないですメタルバンドのボーカルを務める少女。製薬会社の社長である父・野畑計を嫌い、「一度死んでくれ」と歌っていると、2日間死ねる薬で本当に父が死んでしまった。死んだふりによって巻き起こるさまざまな陰謀に立ち向かう七瀬を描く、ハートフルな「死んだふり」コメディ。 映画が原作なだけあって結末部分の怒涛の展開は流石のスピード感で、読んでいて気持ちいい。コメディ要素はたっぷりだが、父の本当の思いを知る部分はエモーショナルで涙を誘う。 「一度死んでくれ」と歌にするものの、母の死を経験してる七瀬だからこそ、「死ね」とは言い切れなかったり、中指を立てられなかったり、心の優しさが見て取れるのも見どころ。