昭和の終わり。田舎町に住む9才の少年・春人には、6つ年上の兄・秋介がいる。秋介は学校でケンカの絶えない問題児で、家の中は、兄を叱る母の声が絶えない…。春人の“家族”の物語、はじまりはじまり! 【収録エピソード】第1話/春人と秋介(前編)、第2話/春人と秋介(後編)、第3話/青山とし子 第4話/家出 第5話/すべての夜 第6話/6年前
◆あらすじ◆売れない小説家、道間 慎。彼は5人の女たちと一緒に暮らしている。女たちは毎月、彼に100万円支払い、彼が女たちの世話をする…なぜ? 金と愛と死の臭いが立ちこめる一軒家で、歪な六角関係が繰り広げられる… ◆紹介◆『俺はまだ本気出してないだけ』の作者が、100%本気で挑む新境地!! 散りばめられた秘密を追ううちに、いつしか女たちの虜に… 謎が恋を呼ぶ、異色のミステリー×ラブコメディー!!
『俺はまだ本気出してないだけ』で40オヤジの悲哀を描いた青野春秋氏の最新作は、アラサー女子と公衆電話の切なすぎる物語。14年間の引きこもり生活にピリオドを打ち、生まれ変わるために旅に出た“松田夢子28歳”は、たぶんどこにでもいる女の子だった……。周囲との繋がりを断ち、自分だけの世界で生きることを決めた日までは。その時から、あっという間に14年が過ぎていた。束縛されない、傷つかない、顔色をうかがわない。自分の部屋という温室の中での自由な暮らしは楽しかった。でも、不安という暗闇とはいつも隣り合わせ。だからだろうか、いつの間にか少しだけ薬の力を借りなければ生きられない女の子になっていた。誰に非難されたわけではない。ひとりきりの生活が寂しかったわけでもない。ただ、外の空気を吸いたかっただけ。誰かと話をしてみたくなっただけ。外に出れば何かが変わるかもしれない。誰かと繋がれば、薬を必要とする私から生まれ変われるかもしれない……。だから、彼女は旅に出た。小銭と大事な薬を握りしめて。「大丈夫、きっと私は生まれ変われる。」