現在、女子高生の海野幸は、亡くなった両親に代わり、3人の弟妹の面倒を見ているけなげ女の子。貧しいながらも楽しく暮らす、その家に突然、兄が帰ってきた。いつも、うまい儲け話に載せられては騙されている兄。今度は、松茸とトリュフの養殖をやると言っており、やたら景気がいい。その兄がいなくなって2か月後、借金取りの桜田が現われる。その桜田から幸は、兄が借金を抱え、逃げ回っていると告げられる。兄の身を案ずる幸は、自分が返すと言い出す。しかし、その借金は2億5千万円という莫大なものだったのだ・・・
1995年から2002年にかけて「ビッグコミックオリジナル」誌上で連載され大反響をよんだ『MONSTER』に関するノンフィクション「風」読みものである。2000年のある医院での惨殺事件を発端に、ヴェルナー・ヴェーバーというジャーナリストがヨハン・リーベルト事件の謎を「取材」する、という体裁で、現地の写真や資料を差しはさみながら進行していく。もちろん答えは明白であるのだが、最後まで本書がフィクションなのかノンフィクションなのか、はっきりと記述されることはない。 ヴェーバーの取材をうけ、エヴァや、ルンゲ警部といったあの面々の口からさまざまな真実が語られていく。「顔写真に関しては、撮影を固辞する人が大多数を占めたため、インタビュー後、わたしの記憶にある彼らのスケッチを載せることで代用した」とあるように、スケッチ風に生き生きと彼らが描かれているのはファンにはうれしいところ。