早寝電灯

化け猫の講談師がお相手ということで、おとぎ話が入り混じったような摩訶不思議な世界観がとても心地良かった。
物語を彩る装飾や演出も秀逸で、 喜八が草太の居場所を憂いて叩いたふとんの花柄が飛び散って草太の元に舞い降りる場面転換のところはとても好き。

人間社会に紛れて暮らす化け猫は、バレたら、その人間と契りを交わさないと祟られちゃうんだって。
ひょんなことでバレちゃった化け猫の喜八と、化け猫を知っちゃった社畜で死にかけの草太の話。

猫耳ってあんまり好きじゃないんだけど
(私の中で耳が4つってなんか解せなくて)
この作品めっちゃ好きでした。
妖系が好きってのも相まって、良かった。
時々、喜八の目が猫になるのが好きだった。
驚いて耳出ちゃったり、ね。いいよね。
大声でふすまの鳥が飛んでっちゃったり、世界観がすごく良かった。
BLなんだけど、ちゃんと作られた世界観がほんといい。
早寝さんの短編はあまり好きじゃないけど、というか、早寝さんの旨みである作り込まれた構成と世界観が少しおざなりになっちゃうんだよね。
だから、丸々1冊表題作はほんと良き！期待を裏切らない！

絵も好きなんだよなぁ。
草太が猫になった時、違和感がなくて、その猫がほんと草太だったんだもんで、そこに妙に感動した。ほいで、草太の化け猫化はすごいツボだったわぁ。ぴーんって伸びた尻尾がなんか可愛すぎた。